(10/12)これぞまさしくモノづくり

ショールームも元通りに戻って今日から試聴室オープン。最初のお客さんは先月SV-P1616Dの試聴にいらっしゃって早速キットを組まれたUさん。早くも次のターゲットということで今回はSV-S1628Dをショールームで受け取りがてら完成したばかりのP1616Dを持ってお越しになられました。

Uさんは喜寿。40年くらい前に作ったきりでアンプ作りは超ひさびさ…とのことでしたので何らかのサポートが必要かも…と内心思っていたのですが、アンプを拝見して驚愕!!
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左が”素”の状態。右がUさんが組み立てたP1616D。回路変更は全くされていないとのことですが、別のアンプと見間違うほどシックにドレスアップされていています。伺えばトランス類は自分で手塗り、シャーシも黒く塗った上に特注の金メッキの板金を重ねて、サイドにはウォールナット特注の化粧板をお付けになった由。そして銘板もご自身でパソコンでデザインを起こして追加されていらっしゃいます。

驚きはこれだけではありません。フロントパネルに標準にはないスイッチとLEDがあるので「これは?」と伺うと謎が解けました。初段とドライブ段のMT管をLEDでライトアップされたとのこと。
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これがライトアップされた状態。試聴室のダウンライトを少し落とすと更にきれいにグリーンが浮かび上がってきます。Uさんは「1628Dもこんな感じにしようかと思ってるんです」とニコニコされていらっしゃいました。このような言い方が適切かどうかは分かりませんが、傘寿を3年後に控えられた大先輩のどこからこのような情熱が沸き上がってくるのか…先月お会いした時に「手配線なんて出来るだろうか」と仰っていたUさんが別人に見えました。1628Dが出来上がったらまた見せて下さいね!とお願いしておきました。

今日のひと言…人間って凄い!!心からそう思った私でした。




# by audiokaleidoscope | 2017-10-12 12:06 | オーディオ | Comments(0)

(10/9)フェア二日目

二日目。今回で18回目の出展ですが毎回予期せぬ出会いと懐かしい再会があって、いつも新鮮な真空管オーディオフェア。
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そういえば初日の高田さんデモの内容に関してたくさんお問い合わせを頂いていますが、youtubeに関連する動画がアップされていますのでお知らせしておきますね。


デモで聴いて頂いた音源の多くは「Stereo Sound Hi-Res Reference Check Disc」に収められているものです。是非スーパーハイレゾの魅力をご自身のシステムで確認してみていただくと最新のデジタル音源の凄さを体感して頂ける筈。

二日目のデモのテーマは初日以上に深くマニアックに進行しました。今回新かわら版で増補した「はじめての真空管アンプ(実践編)」を枕にしてお話をさせて頂いた訳ですが、特に反響のあったのがSV-284Dのブースターモードの音。まずSV-91B単独の音を聴いて頂いたあとで91B+284Dの音を鳴らした時の差異に対して想像以上の反響を頂きました。当然聴く音量は同じ。通常家庭にあっては3W以下。ならば出力10Wの91Bで何の不足もありません。

私が845を出力管としたブースターアンプ構想を思いついた時、結果として得られる出力アップには殆ど興味がありませんでした。では何を期待したかといえば増幅系のゲインが上がることでローレベルの情報量にきっと大きな変化が訪れるのではないか…そんな想像が頭をもたげたから。その後試作,修正を重ねるなかでその想像は確信に変化していきました。真空管・オーディオ大放談(youtubeダイジェスト)ブースターモードの284の実力を垣間見ることも出来ます。


この収録時の前置アンプはSV-2300LM/300Bでした。高田さんが仰っていたビットレンジ(ビットレゾリューション)こそが聴感上のダイナミックレンジ、ひいては高音質に直結するという主張に直結する増幅系の下方(ローレベル)リニアリティ伸長こそが高音質の要であるというのが私の主張です。

二日目のハイライトであった生島さん(ディスクユオン Jazz TOKYO店長)のレコードコンサートもそんなテーマに通じる何かがあったように思います。
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セロニアス・モンクのモノ盤とステレオ盤の比較試聴があったり、アナログ全盛期の真空管機器をフルレストアして再発されたLPの音の良さに感心したり…数々の貴重盤を聴かせてくれた生島さんですが、なかでも白眉だったのが予告編でも少し書いたブライアン・ブロンバーグ”WOOD"のアナログ盤(2枚組)

CDはもう15年くらい前から試聴会でも使っていたのですがハイレゾ版のリリースが一昨年。この時もぶっ飛んだわけですが今回のアナログのダイナミックレンジの深さは尋常ではありませんでした。そして更に凄かったのが、そのWOODのラッカー盤!このラッカー盤からスタンパーが作られ、それがLPになる…その大元であり音の全てがこのラッカー盤に全て入っている訳です。

ラッカー盤の寿命(再生回数限度)は10回~20回。その貴重なラッカー盤のバージントラックを聴かせていただいた訳ですが、この音を聴いた方は千載一遇のチャンスを得たと申し上げてもいいでしょう。音の弾力といい、スタジオの空気感といい音の深みと鮮度の同居したこの世界はなんだ!!と深い感動を覚えたのは私だけはなかった筈。思わずデモ中に携帯で写真を撮ってしまいました。
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ラッカー盤の音を聴きながら無言の二人…いま思い出しても凄い音だったなあ!


今回のフェアについてはいずれWEBやオーディオ雑誌などでも広く広報されることでしょう。残念だったのは他メーカーの音を聴かせていただく時間が全く取れなかったこと。SNSなどで皆さん頑張っておられる様子を拝見させて頂いて、ちょっとでもいいから他のブースを覗きたかったな…というのが唯一の心残りです。

という訳で今回のフェアも無事終わりました。例年ですと次は2月辺りに再び東京で試聴会をやるのが通常の流れですが…久しぶりに違う場所でやってみてもいいかなあ、と思いながら車で会社に戻った今日の私でした。フェアにお越し下さった全ての方に心よりの御礼を申し上げます。どうも有難うございました!!また会いましょう!!





# by audiokaleidoscope | 2017-10-10 21:07 | オーディオ | Comments(0)

(10/8)フェア初日

2日間の楽しかったフェアが終わり、余韻に浸っている感じです。写真を中心に今回の真空管オーディオフェアを振り返っていきます。
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デモ中ですね。今回大胆にレイアウト変更した訳ですが結果的には大正解でした。聴きたい人は試聴ブース,製品を見たり質問したりしたい人は展示ブース,買い物したい人は物販ブースとニーズに合わせた配置が出来て良かったです。
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試聴はテーマを決めて機種ごと,カテゴリーごとの比較がしっかりできるように工夫しました。ひとコマでの試聴機種をあらかじめ絞り込んで例えば300Bシングルの比較,多極管プッシュプルの比較,コンパチ機の真空管交換,高級機の音質的,回路的特徴などにフォーカスしました。

スピーカーは画像の3種類メインで鳴らしましたがLM755A Classic Floor Systemはエンクロージャー単売をはじめて今回はエレクトロボイスの409を入れたのですが早くも注文を頂いたり、Vintage S12の音に多くの方が関心をもたれたようです。
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いつものように画像表示して今なにが鳴ってるか分かるように…。
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音源も何かわかるようにLPジャケットやPCの画面を見て頂けるようにしました。今回も素敵なお花を頂きました!有難うございます!
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入力周り。プリは3機種。フォノイコはSV-396EQとSV-310EQを交互に鳴らす感じ。デジタルはMC-3+USBでリクロックモードにしてPCM,DSDいずれも最高の状態で鳴らせるように工夫しました。プリはSV-Pre1616Dが大活躍でしたね!
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Pre1616Dはデモ中にカソフォロ段の交換(12AX7→12AU7)や整流素子の交換(ダイオードモジュール→5AR4)を行って音の太さ,実体感の変化も楽しんでいただけたかと…。
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パワーアンプはSV-S1616D/多極管仕様(Gold Lion KT88),SV-S1616D/300B仕様(Prime300Bver.5)。真空管アンプの出発点にして終着点。
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SV-P1616D/多極管仕様(KT150),SV-P1616D/300B仕様(Prime300Bver.4)。プッシュプルの魅力であるスケール感,響きの良さ,厚みを改めて音で知って頂けて良かったです。
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SV-S1628D(GoldenDragon211),TU-8600SV(JENSEN仕様)。いずれも人気モデルだけにデモ時は大賑わいでした。
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JB-320LM(Prime300Bver.4),SV-2300LM(Prime300Bver.5)。コンパチプリメインは今回注目度大だったようです。
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SV-8800SE(GoldenDragonKT88),SV-91B(PSVANE WE仕様),SV-284D。拘りの高級機の音もバッチリ聴いて頂きました。真空管アンプはスピーカーを選ぶとよく言われますが、このクラスは現行のハイエンド系スピーカーと一緒に使われる方も多く、Focal Grand Utopia, Genesis V, B&W 805 D3など実際のインストール例を交えて説明しました。
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展示ブースではバトラーの人気モデル,エレキットTU-8600そして技術相談コーナーを設置。
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デモ中もスタッフと活発なやりとりが展開されていました。
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これはMUSIC BIRDの高音質な新チューナーの比較試聴コーナー。新規申し込みもバンバン入っているようで嬉しい限りです。
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真空管物販コーナー。Mullard,Telefunkenなどのヴィンテージ球はもちろん現行球も大変な売れ行きだったようです。ロゴ印刷がずれていたりガラスが傾いていたり正規品で販売できない真空管もサービスコーナーは人だかり。

そして初日のハイライトがミキサーズ ラボ高田さんの講演タイム。素晴らしかったです!!
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現場の最前線で活躍するエンジニアのトップがオーディオファンと”良い音とはなにか?”を共有する…こういう機会をいただけて本当に光栄でした。高田さんのデモではスピーカーはLM69固定。アンプはSV-8800SE固定で行いました。
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スライドや動画そしてもちろん384kHz/32bit,11.2MHz/1bitなどのいわゆる”スーパーハイレゾ”音源もたっぷりと聴いて頂きました。
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おもわず二人で聴きいっているところ…。
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門外不出のマイキングノウハウなども披露。TOMA & MAMIのスーパーハイレゾダイレクトカッティング音源は超絶の空気感でした。その後MIXER'S LABOのLPや高田さんの手掛けたAKIRAの 日米同時発売のLPも聴いたりしてあっという間の1時間半でした。
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会場では歌手の井筒香奈江さんにもお会いしました。たくさんの業界の方とも旧交を温めることが出来てフェアならではの楽しさ満載の初日でした。二日目の様子は後ほど…。



# by audiokaleidoscope | 2017-10-10 08:38 | オーディオ | Comments(0)

(10/5)フェア直前&追加情報

(訂正連絡)10/9のディスクユニオンJazz TOKYO 生島さんのレコードコンサートですが正しくは14:30スタートでした。訂正してお詫び申し上げます。


前回のポストが先週金曜日。あれからフェアの色々な準備を進めて何とかメドがついてきたところです。当日配らせていただくチラシ関係も段取りが終わり、デモ機材の特性確認も順調であとはトラック積み込み待ちという段階まで来ました。もうひと息!

物販関係では毎年人気のある真空管販売コーナーのリストが出来ました。
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拡大画像


年々ヴィンテージ球の流通が減ってきているなかで今回は輸入元に協力して頂いてMT管の現行球とヴィンテージ両方に力を入れて商品を集めました。数量が限られているものが多いのでお早めにブースへお越し頂ければと思います。

肝心のデモ内容については先日書いた内容から更にパワーアップ。特に初日(10/8)17:30~の高田英男さんのプレゼンテーションに関しては時間を延長して前半スーパーハイレゾ,後半は高田さん/ミキサーズ・ラボ関連の音源として
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二枚組LP「AKIRA」(9/15日米同時発売~現在品切れ中~)


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二枚組LP「MIXER’S LAB SOUND SERIES Vol.2」

の試聴も実施。レコーディングの最前線の現場の裏話だけでなく、最高の音源も楽しめるイベントになりそうですね。

そして二日目(10/9)15:30~のディスクユニオン Jazz TOKYO 生島さんをお招きしてのレコードコンサートも素晴らしい内容になりそうです。ステレオ/モノ両方のSPUを用意いただき名盤,高音質盤のオンパレードに加え、今日飛び込んできた情報では何とラッカー盤と通常LPの比較試聴もあるらしいです!

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二枚組LP「ブライアン・ブロンバーグ / WOOD」(10/6発売)

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二枚組LP「オルケストラ・ド・コントラバス / BASS,BASS,BASS,BASS,BASS&BASS!」


”ザ・低音”シリーズといえばオーディオ好きな方なら知っているサウンドチェック用の定番で、かつて私どもでもリファレンスディスク指定していたテッパン音源でもあります。それが二枚組高音質LPとなって復活するとなれば誰しもが興味を持たれる筈。更にラッカー盤との比較試聴という機会は二度とないと思いますので是非その音を体験頂きたいと思います。


そして忘れちゃいけない私ども自身のデモは「真空管・オーディオ大放談」公開収録ばりの内容で全編お届けする予定です。その他メーカー担当者自らが説明するエレキット「TU-8600コーナー」,MUSIC BIRDの新旧チューナー比較試聴&新キャンペーン紹介コーナーなど、二日間全力で来場者の皆さんをお待ち申し上げております!どうぞお楽しみに!!


# by audiokaleidoscope | 2017-10-05 17:26 | オーディオ | Comments(0)

(9/29)「桐スピーカーを作ろう会」追加情報

昨日アップした合宿の件。色々とご質問を頂いておりますのでQ&A形式にて補足しておきます。

Q1:合宿後サンバレーで販売の予定は?
A1:合宿限定です。

Q2:エンクロージャーのサイズは?
A2:
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Q3:桐=柔らかいというイメージがあるが耐久性は?
A3:桐合板の板厚5.5mm(フロントバッフルは11mm)と薄いですが、5プライ合板で剛性があり硬度も充分です。また全ての積層が桐材ですので響きを損なうことがありません。

Q4:ユニットについて詳しい情報は?
A4:ブランドはMonacor(ドイツ)です。定格(公称値)は

インピーダンス:8Ω
出力音圧レベル:94dB
再生周波数帯域:100Hz~17.5kHz
定格入力:8W
最低共振周波数:Fo 100Hz
バッフル開口径:φ180mm
重量:0.37kg

Q5:ユニット交換は可能か?
A5:リアマウント用8インチフルレンジであれば問題ありません。ただし木ねじのピッチが異なる場合はフロントバッフルに穴痕が残ります。また重量級ユニットの場合はリングアダプターを追加するなどの対策が必要です。
仕様見直しの結果、ユニットは木ねじ固定でなくボルト固定にしました。またフロントバッフルの板厚は11mmありますので自重の大きいユニットを取り付けて頂いても問題ありません。

Q6:スピーカー端子は?
A6:バナナプラグ対応の汎用品です。

Q7:塗装は?
A7:サンプル画像は透明ニス+少量のチーク色混合の仕上げです。
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合宿では塗装はお好みによりステイン着色,ウレタン塗装,オイル仕上げ,塗装無しなどお選びいただけます。

Q8:サランネットなしは選択できる?
A8:スピーカーネットは京都麻を使用。ご希望によりネット無しもOKです。

…今のところこんな感じです。他になにか知りたいことがあればお気軽にお問合せ下さい。お待ちしております!!



# by audiokaleidoscope | 2017-09-29 08:14 | オーディオ | Comments(0)

(9/28)ウインズ”モノづくり合宿”やります(11/11~12)

(10/6追記)
個室は満室となりました。相部屋でのご利用は引き続き承ることが出来るそうです。なお標準設定しておりましたMonacorのスピーカーユニットが調達先完売で、今後のお申込みはエンクロージャーのみ(-7,000円)でのお申込みとなります。ぜひお気に入りのユニットご持参のうえご参加下さい。


今週ウインズの村瀬さんが来社。このブログの読者の方はウインズといってもピンとこない方も多いかもしれませんね。村瀬さんとはすでに10数年のお付き合いで”元祖道場破り”の人。たぶん2004年頃、”ボクの作ったスピーカーを聴いてくれ!”とショールームに「樽スピーカー」の原型を持ち込まれたのが昨日の事のようです。その後急速に関係性が深まってキット屋のオリジナルスピーカーの大半はウインズ製(あるいは監修)になりました。代表的なところでは…
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MID

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Middy
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WS-825
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mini825
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ランドセル
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WE指定8インチ標準箱

…という感じのヴィンテージテイスト溢れる現行製品では味わえない手作り感を重視したスピーカーづくりでは大変お世話になりました。なかには製造に手が回らず1年以上待ち…なんて製品もありましたっけ…そんな村瀬さんが今回持ってこられたのがこれ。
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上の指定箱とよく似たWE/ALTEC系のスラントエンクロージャーですが、今回最大のポイントは素材。いままでの針葉樹合板(無節)に代わって村瀬さんが今回持ち込んだのは何と総桐。ユニットはドイツの現行8インチでした。鳴らしてみるとまるでアコースティックギターの胴鳴りを彷彿させる実に豊かな響き。音量を欲張らずに、でもタップリとした量感を伴ってアコースティック楽器やヴォーカルを楽しみたい方にぴったりなシステムと言えると思います。そしてこのスピーカーをペンションウインズのある乗鞍へ皆で集まって自ら組立,仕上げ,塗装,ユニット取付を行う「合宿」形式でやりましょう!というのが今日のお知らせです。

この合宿…すでに10回以上やってきたでしょうか。時にアンプ組立合宿、時にスピーカー組立合宿、時に自作アンプ・スピーカー持ち寄り合宿…実に色々なことを有志の皆さんと集まってやってきたのですが、今回久しぶりに新たな仲間の皆さんのご参加も募らせて頂こう、ということになった次第です。以下、募集要項です。

ペンションWinds合宿”スピーカーをつくろう会”

日時: 2017年11月11日(土)13時集合/~12日(日)12時解散(いずれも現地)
会場:
ペンションウインズ(〒390-1520 長野県 松本市安曇4043-26)
費用: 59,800円(総桐スピーカーキット一式+宿泊代/二食付き)
※ご同伴の方、スピーカー製作をされない方は9,500円(二食付き)
その他: 単独でご参加の場合は相部屋となります。
申込:ウインズへ直接お願いします。
メール:
windsinfo@gmail.com
電話: 0263-93-3162

モノづくりを楽しむのは勿論、ウインズ特製フレンチに舌鼓をうち、そのあと暖炉を囲んで話が弾むひと時の楽しさは格別です。初めての方も是非お気軽にご参加いただければ幸いです。私はアンプを車に積んでプチ試聴会担当頑張ります!





# by audiokaleidoscope | 2017-09-28 08:48 | オーディオ | Comments(0)

(9/27) SV-Pre1616D登場!

昨日、待ち焦がれたSV-Pre1616Dのサンプルがやっと完成。図面上では色々と検討,評価して腹に落ちていたわけですが実機を見ると感激もひとしお!これはモノづくりに関わったことのある方共通のカタルシス(心の浄化)の一つ。産みの苦しみが大きければ大きいほどその感動も倍化します。
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これがそのSV-Pre1616D。初対面の印象は”おお!何と小さい!”…SV-S1616Dよりも2回りくらい小型でとても可愛いプリに仕上がりました。ツマミの大きさと対比すると大体のサイズイメージが分かるでしょうか。
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下のSV-2300LMと比較してもサイズ感が分かるかも…でも中身は強力です。そもそもPre1616Dの発送の原点は完売となったSV-722(マランツ7)のフラットアンプ部分をそのまま1616プラットフォームに移植できないか、というのが原点。Phonoは要らない…でもドライブ力のあるプリは必須…それを出来れば低価格で実現しよう!というのが根っこにありました。

しかし回路的に移植しただけでは面白くない…1616シリーズならではのアイディアを足さないと!、ということで考えたのが以下のポイントです。

・整流素子のダイオード/整流管変更による音の違いを楽しめること
・カソードフォロワ段の真空管を12AX7/12AU7いずれも無調整で差し替えられること
・デジタル入力(USB入力:オプション)が選択できること


をイメージしました。そのほか私どもでは過去採用したことがないバランス調整も追加しています。まずパッとつないで音出しした感じではプリアンプ追加の効果を身をもって体験できるエネルギー感に満ちた表現ということが出来るでしょう。ヴォリューム付きパワーアンプで小音量時に感じる音の曇りや高域の鮮度感の低下が無くなるだけでなく、全体に筋肉質でスケール感の大きな表現に変化します。これはベンチマークしたSV-722の素性の良さが影響している側面も多いにあると思います。

上の写真では整流管仕様で鳴らしていますが、標準のダイオードモジュールでは音が締まりエッジが立つ方向性、オプションの整流管(5AR4)に替えると中低域の密度感が上がり、より響きが良くなる方向性に変化します。また是非トライ頂きたいのがカソフォロ段の真空管変更。標準の12AX7を12AU7に替えるとゾリゾリした質感が現れてよりぶ厚い音に。元のマランツ的な表現を求められるなら3本とも12AX7でダイオード整流。ジャズの熱気や太さを味わいたいのであれば左から3本目を12AU7に替えて整流管で決まりです!

USBオプションにつきましては今のところエレキットのUSB-DACモジュールキットを搭載してチェックしていますが、気軽にPCオーディオを楽しみたい方はこれで十分でしょう。USB入力は不要という方が入力4系統すべてアナログ入力に供することが可能です(USB搭載時はアナログ入力3になります)。

気になる中身ですが…
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正統的な1616方式。電源部は基板化されていますが増幅回路部分はオール手配線。入出力周りは結構込み入りますが、それこそが自作の醍醐味ともいえましょう。工数はそれなりに多いですが難易度が高いということはありません。

ここで現時点の仕様をまとめておきますと…

SV-Pre1616Dキット
形式:ライン入力専用プリアンプ
調整機構: 音量,左右バランス
入力:4系統(うち1系統USB入力に変更可)
出力:2系統(Rec Outなし)
配線仕様:手配線(電源部のみ基板)
真空管構成:12AX7(3) ※カソフォロ段12AU7に変更可
整流方式:ダイオードモジュール ※5AR4に変更可
ゲイン: 15dB
周波数特性:15Hz~70kHz
シャーシサイズmm:W250×D200×H136.5
予価:59,000円(税別・送料込) ※真空管別売
発売:2018年3月(予定)


という感じです。とりあえずフェアへはこの状態で持ち込み、改めて評価をキッチリやって修正すべきは修正して完全な状態で3月にお目見え…というスケジュール。早くフェアでコイツの音を聴いて頂きたい!早くもウズウズしている今日の私でした。



# by audiokaleidoscope | 2017-09-27 12:46 | オーディオ | Comments(0)

(9/26)TU-8600SV完成レポート第一号

毎日出社して最初にやるのはメールの確認。この仕事を始めてからずっと”モノの縁よりヒトの縁”を大切にしようと思ってきた私の欠かせない儀式。このメールのやりとりだけで一冊本が書けるくらい色々なお話があり、単にモノの売り買いだけでなくオーディオと音楽を中心とした仲間との交流が数限りなく繰り返されてきました。

今日お!っと思ったのがWさんからのメール。Wさんともかれこれ10年以上のお付き合い。試聴会やフェアでもお見掛けしてお話する間柄で決してネットにおけるバーチャルな関係でなくリアルなオーディオ仲間の一人です。少し前、TU-8600がエレキットから出るよ!という告知が流れたあとWさんから連絡があり、”ぜひPSVANE WE仕様も出して!”と言われたことがきっかけでSVバージョンが生まれたという経緯もあります。今日のメールではすでに完成されて音出しされているということで、私どもに届いた完成第一号の連絡でした。
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TU-3600完成しました。恐ろしく低ノイズです。
もちろん例のジェンセン四個は最初から搭載いたしました。
早速、いろいろと試聴を初めています。
まず驚いたのは、ハムバランサーがありません。
それでも、前の機種でメイズの多かった球が静かになりました。
次に、かつての300-88モデルを試しましたところ、現代的な
ワイドレンジで結構低域も高域も伸びています。
まだまだ、いろいろと試して見たいと思います。

以前TU-8600における300Bの比較について書かせて頂きました。Wさんもたくさん300Bをお持ちのご様子。これからとっかえひっかえお楽しみになることでしょう。完成のご連絡が嬉しかったのは勿論ですが、それ以上にWさんが楽しそうにオーディオと向き合っておられる、その雰囲気がメールと写真から伝わってきて何より心動かされました。Wさん、有難うございました!



# by audiokaleidoscope | 2017-09-26 08:38 | オーディオ | Comments(0)

(9/23)パラゴン詣で

今月のショールーム開放日に話がでたパラゴンのあるカフェ。開放日にいらっしゃっていたSさんとTさんからお話を伺って人気店だからランチのお客さんが引いた後の方がいいよね…ということになり、珈琲を戴きながらチョット覗いてみよう…と軽い気持ちで伺ったら地元のジャズファン、オーディオ好きの皆さんが集まったプチオフのような楽しい午後になりました。

お店の名前は「茶楽音」(ちゃらね)。美味しいお茶と美しい音を楽しみましょう…という意味なんでしょうね、きっと。私が伺った時には静かにパラゴンが鳴っていました。
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1972年のロットとか。あんまりキレイなのでオーバーホールされたんですか?と伺うと、買った時のまんま…とのこと。お客さんでパラゴン使いの方はたくさん存じ上げていますが、フルオリジナルでこれだけ傷のない個体は見たことがありません。聞けば永く海外にあった個体のようで高温多湿な日本で劣化しやすいパーチクルの傷みも全くと言っていいほどありません。
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塗装もヤレていないし金属部分の錆もない極上パラゴン。72年ということはLE15-375-075でネットワークはN500H/N7000の筈…で鳴らしているのは…
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CDプレーヤーはたぶんマッキンMCD7005。もう30年くらい経つんじゃないでしょうか。プリはマランツ7.パワーはいずれもEL34PPでラックスキットと自作?
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ターンテーブルもラックスでツインアーム仕様。
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もちろんジャズ中心ですが、新しめの音源も結構あって女性が多いカフェならではの品ぞろえと言えるでしょうか。
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反対側には蓄音機やサックスなども置かれていて和風モダン的な感じが素敵です。ここは靴を脱いでお邪魔するお座敷のお店。とてもリラックスできます。

音量は会話が出来る程度…恐らく1Wちょっと切るくらい。大変上品で清々しいサウンドです。ステレオ形式ありながら極めて内振りにセットされた375の音が中央のラウンドしたリフレクション(反射)パネルに当たって跳ね返り、モノラル的に音像が浮かび上がるところまでドライブされていませんでしたが、お客さんが引いたところでお店のNさんがアナログでMistyを掛けてヴォリュームをガバっと上げたところ中高域の張りと明るさのあるJBLサウンドが一気に牙を剥いてこっちに向かってきました。300Bプッシュか211シングル辺りで中域の音触(ザックリした質感)が出てくるとどんな音になるんだろう…という気も。

伺ったところでは月に一度、ジャズ好きが集まってディナーを食しながらオーディオを楽しむ夕べがあるそう。フェア明けにでも一度お邪魔させて頂いて、更にこのパラゴンの魅力を喫し尽くしたいと思っています。

ショールームに試聴にいらっしゃる方、ぜひスケジュールに茶良音さんも加えて下さい!!場所は岡崎市です。



# by audiokaleidoscope | 2017-09-23 19:46 | オーディオ | Comments(0)

(9/21)真空管オーディオフェア デモプラン

開催まであと2週間あまりとなった真空管オーディオフェア。今回も各社の新製品と趣向を凝らしたデモで賑わうことでしょう。何年前だったか記憶がありませんがフェアが有料化されることになって「入場料以上の収穫を持ち帰っていただけるデモをやらないと!」と思って頑張って来た訳ですが、今年わたし共のブースはかなり様変わりします。去年の状況はこちら…


上のリンクに入って3枚目の写真を見て頂くと分かるんですが、何しろギューギューで50席用意している椅子では足らず立見の方が多い時でプラス30~40というタイミングもありました。私どもの従来のプレゼンテーションはモノ以上にオト重視。もちろんそれはそれで意味があったと思いますし、中にはデモを録音されたり動画に収めたりする方もおられたので、毎回楽しみにして下さった方も多かったのではないかと思っています。

一方で今回出展社は全部で48もある訳で、1時間も2時間も私のデモに付き合えない方にとっては何と不便極まりないブースという部分も多分に予想されます。つまり人垣を縫って奥まで入り込まないと製品が見えない、何が鳴ってるか画面では映っているものの遠くでよく分からない…そういうご不満が過去少なからずあったという反省もあります。

そこで今回は実質35坪(70畳分)のブースをキッチリ2分割して半分は”聴く”スペース(試聴コーナー)、もう半分は”見る,知る”スペースとして製品展示,技術相談,物販に特化する予定です。こうすることで従来通り何時間もいらっしゃる方とチョット見の方の両方のニーズにマッチするのではないか…という目論見です。

詳細は近いうちにホームページにアップしますが、今日までに(ほぼ)決まったことをお知らせしておきます。まずはイベントタイムですが…

(1)10/8(日)17:30~18:30
ミキサーズ・ラボpresents
「音楽録音現場から見たハイレゾ音の魅力・今後の展望」
講演 レコーディング・エンジニア 
高田英男さん
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(2)10/9(祝)14:30~15:30
ディスクユニオンJazzTOKYO presents
「真空管アンプで聴くJAZZレコードの世界」
講演
生島昇さん
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という内容です。最近のトレンドであるハイレゾ音源の現状と今後の展望、そして復活というよりはメインストリームと言っても良い盛り上がりを見せているアナログブームの両面を切り取り、いずれも最前線の現場で活躍される第一人者のお二方にお出まし願ってイキの良いお話を聞かせていただこう!という趣向です。

事前の整理券等の配付は予定しておりません。例年よりお席が減りますので参加ご希望の方はお早めにブースでお越し頂きたいと思います。

その他、機器まわりのデモにつきましてはこんな感じです。
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※クリックで拡大します

従来は機種別で五月雨式にデモをやっていましたが、今回は明確にテーマを決めて来場される皆さんが事前に会場内のスケジュールを組みやすいようにしたつもりです。知識編あり、先日解禁したSV-Pre1616Dの初披露あり、球の差し替え実験あり…様々なニーズにマッチするよう、開催当日まで知恵を絞っていくつもりです。どうぞお楽しみに!!



# by audiokaleidoscope | 2017-09-21 12:41 | オーディオ | Comments(0)

(9/18)クラシックは生に限る・・・か?

昨日の台風は当地でもかなり激しく、築90年の母屋が倒れるのではないか?・・・と気になって夜中に何度も目が覚めるほどの猛威。幸い庭木の枝と盆栽の鉢に多少のダメージがあったものの何とか通過。会社も大丈夫・・・と思っていたらエアコンの室外機が転んでますよ、と連絡。やっぱり相当の勢いだったんだな、と。私が子供の頃、日本は温帯だと習ったけど、たぶん既に日本の気候は半亜熱帯。昨今の雨の降り方はまさにスコールのよう。これから先、地球の温暖化によって何が起こるのか・・・少し不安になった今回の台風。

そんな台風一過の今日、久しぶりにCDのご紹介。真空管アンプで音楽を聴く方の多くはジャズやクラシックを多少なりとも楽しまれる筈。ただクラシックはヤッパリ生の方が良い・・・という方も少なからずいらっしゃるかも。かの五味康祐先生が名著「オーディオ巡礼」の冒頭で、

”あのほそい針先で、そのフォルテを拾おうというのもどだい無理な話である。また、より高忠実度の再生音を念願するにせよ、音の発源体となるのがせいぜい一五インチ程度のスピーカーであってみれば、これまた多くを望むほうが無理だろう。結局、どこかで処理された、あるいは取捨選択された音を、生らしく聴くことで我々は我慢しなければならない”

と書き、後に菅野沖彦さんをして

”オーディオには上手に嘘をついて欲しい”

と言わしめた、その限界と寧ろ逆説的な意味での可能性に賭ける私たち音楽愛好家の性(さが)を以ってしてもクラシックを生々しく、ホールを彷彿させる雰囲気で愉しむのは経験と感性の両方を必要とするかも。そしてクラシックは録音も千差万別。トーンマイスターの誰々が録音したと喧伝される音源が必ずしも名録音と限らない。

そんななか、極めて自然な音場感と音色の素直さで全くと言って違和感なく、何度も聴き直したくなるCDと最近出会った。メジャーレーベルの量産CDではない。恐らく数百枚しか打たれていない、恐らくはホール自主制作のライブ録音。これが実にいい!
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名古屋の「宗次ホール」でのライブレコーディングで販売店のレビューによれば

”2017年4月15日。名古屋栄宗次ホールで画期的なコンサートが開かれた。モーツァルトのピアノ協奏曲第23,24,25,26番の連続演奏会。まあ、それならありえない話ではない。しかし今回の編成は、イグナツ・ラッハナー編曲による「弦楽四重奏とコントラバス」によるピアノ六重奏版。

(中略)


バックを務めるアンサンブルのリーダーは平光 真彌氏。第1回宗次ホール弦楽四重奏コンクール第1位。愛知室内オーケストラのコンマス、春日井交響楽団の客演コンマスを務める実力派。音楽のツボを絶対はずさない「泣き泣き」のソリストでもある。今回も五島 史誉のピアノにピッタリ寄り添いつつ、ときには「これはヴァイオリン・ソナタか!?」というような美しい見せ場も作ってくれる。


さてその4/15の演奏会のうち、今回23番と25番が宗次ホール・レーベルとしてCD化された。モーツァルトの音楽を奏でる五島 史誉の典雅なピアノに酔いしれるもいいだろう、平光軍団の絶妙なアンサンブルに心揺さぶられるのもいいだろう、ラッハナーの「モーツァルト愛」に貫かれた精妙且つ優雅な編曲に心奪われるのもいいだろう。
(後略)


このCDを聴いて特筆すべきはピアノと弦の(特に高域の)美しさ。全くデフォルメがなくクラシックCDにありがちな過装飾(オーバーレゾナンス)な感じが些かもない。少し大袈裟に言えば眼前にホールのステージが出来(しゅったい)する。恐らくはホール備え付けのコンデンサーマイク一本によるワンポイント録音。だからこそか、演奏者たちを斜め上から俯瞰するような極めて自然な音色と音場。そして録られた音そのままで変に弄られていないからか(実はこれがとても大事)、各楽器の質感が極めて生々しく、そして直接音のリアリズムと残響のバランスのニュートラルさが素晴らしい。

地元の若手演奏家が実力派ピアニストに寄り添って美しく音楽を描く・・・実に清々しく心地よい音楽体験が生演奏と同じレベルで・・・そして何度でも体験出来る。これはオーディオならではのマジックであるに違いない・・・そう心から思えた空気の澄んだ初秋のひと時だった。


# by audiokaleidoscope | 2017-09-18 22:03 | オーディオ | Comments(4)

(9/15)上野→世田谷→西麻布→川崎へ

東京三日目はお客さん宅と打ち合わせ。まずは上野のKさん宅へ。
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写真の機器+300BパラシングルでELACのスピーカーを鳴らすKさん。オーディオテクネのプリをSV-310に…検討中ということでデモ機を持って参上しました。ELACの極上の音場感にプラスして如何に実体感を引き寄せるか…そのポイントがプリです。その目的に最も合致するのがSV-310という訳です。

上野を出て世田谷へ。写真家平間さんのご自宅に向かいました。
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管球王国取材時とは設置場所が変わり、音も随分変わっていました。空間のノンリニア(定在波)が減り以前にも増して筋肉質で熱い音に。SV-P1616D/KT120が余裕綽々でB&W 805D3をドライブしている感じです。”更によく鳴ってるんじゃないです?”と伺うと、いくつかの秘密を教えて下さいました。
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まずはスピーカーケーブルのバイワイア。いずれもオヤイデで上は銀線、下はTUNAMI(津波)だそう。電源ケーブルもオヤイデ。テーブルタップは先日の収録で最高のパフォーマンスを発揮した光城精工製を新規採用。
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バイワイヤリングの状況

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そしてこちらは詳細不明の”仮想アース”。平間さんはタイプの異なる2台を同時に使用されていて”一つは上が伸びる、もう一つは下が伸びる”とか。これらの相乗効果で更に立体感と躍動感のあるニュー平間サウンドが生まれたという訳です。
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今回急に平間邸をお邪魔したのは昨日の収録で台風の目となったGold Lion ECC82の音を聴いていただきたかったから。低域の伸びがと弾む感じが更に増しゴキゲンな音になりました。
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平間邸に続いては西麻布のミキサーズラボへ。ここでは来月の真空管オーディオフェアのイベントタイム(10/8土曜日 17:30~)にレコーディングエンジニアのレジェンド、高田英男さんのデジタルオーディオ最前線に関する基調講演についての打ち合わせです。PCオーディオをこれからやってみたいと思っている方から筋金入りのマニアまで納得のスペシャルプレゼンテーションをお送りする予定です(詳細は後日発表します)。384kHz/32bit,11.2MHz/1bitサウンドの衝撃を是非味わって下さい。

そして最後は川崎のIさん宅へ。オートグラフを300Bでシングルで鳴らす達人ですが、納品後4年半ほどになるSV-91Bのご機嫌を伺いにお邪魔してきました。
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プリはマランツ7。300BはWE300B(1988)。Iさんのオートグラフは極めて小音量でも素晴らしい音場感と響きの奥行きがあり同じスピーカーを使っている私にとっても目標の音の一つ。短い時間でしたがタップリと素晴らしい音を満喫させて頂きました。

…そんな訳で来週から加速する真空管オーディオフェア準備から年末まで一気に突っ走る時期がやってきました。その前の少しの息抜き…とても充実して楽しい三日間の東京でした。




# by audiokaleidoscope | 2017-09-16 15:48 | オーディオ | Comments(0)

(9/14)徹底研究シリーズ SV-91B, SV-P1616D/多極管仕様

今日はMUSICBIRD収録。今回は”徹底研究シリーズ”としてパート1:SV-91B,パート2:SV-P1616D/多極管仕様を取り上げました。
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まずはSV-91Bの回(オンエア11/10)では真空管アンプの音を決定づける重要な要素として

・出力管の選択(三極管,多極管)
・回路形式の選択(シングル,プッシュプル)


以上で人間でいえば骨格が決まり、そのうえで音に重要な影響をおよぼすものとして配慮すべきは

・出力管の動作点の決定
・ゲイン配分
・十分な電源回路


が基本です。ここでアンプのキャラクターの約70%が決まり、特性的な部分はほぼ決まってくるということになります。一方で残り30%をどう追い込んでいくかが実は最も重要で楽器であれば”鳴り”に直接大きな影響を及ぼす”キモ”の部分と言い換えることもできます。料理でいえば立派な厨房設備と最高級の素材と完璧なレシピがあっても最後は人の手でいかに食べる方に美味しく食べて頂こうという”思いやり”があって初めて本当に美味しい料理が出来るのと一緒です。

オーディオでも同じで特性は素晴らしくても音に魅力がない…言い換えれば心に響いてこないものも沢山あります。今日はSV-91Bを素材に使い残り30%の味付けによって音がどう変わるかを実際にスタジオで検証実験を行いました。まずはNFBの変更による音の変化(無帰還,帰還量(小),帰還量(大)の比較)です。

NFBとは

増幅回路のなかで歪みが生じていると、出力側に歪んだ波形が現われます。歪んでいない入力波形と歪んだ波形とが比較され、引き算の結果である差分を入力に戻すことで出力波形に現れる歪み分をキャンセルしようというのがNFBの基本です。

①無帰還
②帰還1.7dB(Rnf=47k) 初期モデル標準
③帰還4.5dB(Rnf=15k) 現行モデル標準


理論上は帰還量が多ければ多いほど諸特性が改善する筈ですが、実際はそうならない訳でむしろ深すぎる帰還は音の鮮度が失われるだけでなく、最悪の場合アンプを破壊する極めてクリティカルな部分です。

続いて行ったのがカップリングコンデンサーの交換による音の変化をリアルタイムに聴く実験です。これは面白かった!

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標準DEL RITOMO

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グレードアップ JENSEN 0.1uF(銅箔)

カップリングコンデンサーとは

真空管同士を繋ぐコンデンサカップリングコンデンサーと言います。コンデンサーは交流電流は流しますが直流電流は流しません。音楽信号は交流なので次の真空管へ流れますが、真空管の出力電圧は直流なのでカップリングコンデンサでカットされる仕組みですが、ここが音質に与える影響は極めて大きなもので一般にパワーアンプではオイルコンを用いることが音質改善に与すると言われています。SV-91Bでは標準でもオイルコンが採用されていますが、更に音質を向上させるための決定打がJENSENです。

①標準(デル・リトモ オイルコン 0.1uF)
②JENSEN 0.1uF
錫箔
③JENSEN 0.1uF銅箔

を比較した訳ですが、錫泊と銅箔の比較はこの番組でも初の取り組みです。繊細感重視の場合は錫,エネルギー感重視の場合は銅になる訳ですが、その如実な音の違いがスタジオで確認できました。

以上を比較した結果、帰還量4.5dB(Rnf=15kΩ),カップリングJENSEN銅箔が最も好ましいという結果が出たので、これをデフォルトとして次に

真空管による音の変化を確認しています。

①標準(LM310A-Prime300Bver.4-GD274B)
②PSVANE WE仕様
③オールWE(刻印)

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標準仕様

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オールWE仕様(WE310Bメッシュ-WE337Aメッシュ-WE300B-WE274B)すべて刻印40’s

この部分に関してはオンエアでその差を感じて下さい、としか申し上げようがありません。あえて言葉で表現するとすれば標準,PSVANE WE,オールWE(刻印)と聴き較べていくなかで深み,懐の深さ,陰影といった部分において明示的な違いが現れていることを理解頂けると思います。

続いてはパート2(オンエア11/24)ではSV-P1616D/多極管仕様の最大の魅力であり特徴である様々な出力管の無調整差し替えを通じて真空管アンプの最大の魅力である豊かな楽器性を楽しんでいただきます。従来と異なるのは電圧増幅段(初段/ドライブ段)の差し替えを行ったこと。大変興味深い結果が出たことをお知らせしておきます。

1.電圧増幅管の変更
①GD12AT7/GD12AU7(標準)
②JJECC81/JJECC82
③JJECC81/Gold LionECC82
④TelefunkenECC81/Mullard CV4003

ここで素晴らしいパフォーマンスを発揮したのはGold LionECC82でした。正直あまりマークしていなかっただけに、その見事な力感とレンジ感にスタジオにいた全員が唸ったというのが正直なところです。

続いて行ったのが

2.出力管の変更
①Golden Dragon EL34/6CA7
②TUNG-SOL 6L6GC STR
③Gold Lion KT66
④Gold Lion KT88
⑤GD 6550C
⑥TUNG-SOL KT120
⑦TUNG-SOL KT150
⑧GEC KT88(オリジナル)

の比較。電圧増幅段は評価の高かったJJ ECC81/Gold LionECC82に固定して各種出力管の音を比較した訳ですが、同ブランドの強みかGold Lion KT88のパフォーマンスが非常に印象に残りました。その他TUNG SOL 6L6GC STR,GD 6550C,TUNG SOL KT150なども好表現であえるなかで、やはり別格だったのはオリジナルGEC KT88の音でした。

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TUNG SOL 6L6GC STR

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Golden Dragon 6550C

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Telefunken ECC81,Mullard CV4003,GEC KT88


…こんな感じの収録でした。私自身にとってもいくつかの気づきがあり、楽しい収録になりました。詳細は是非オンエアで!!現在コミコミLightが大好評ということでリスナーさんもドンドン増えているそう。出る側も更に頑張ります!!




# by audiokaleidoscope | 2017-09-15 08:26 | オーディオ | Comments(0)

(9/7_2)TU-8600のJENSEN化

(9/8 追記)
本日より予約受付開始しましたTU-8600ですが、おすすめオプションでご紹介したJENSEN 0.22uFに関して予想を大きく超えるご注文を頂いており、状況によってJENSENのみ後日発送となる可能性がございます。TU-8600と同時注文の場合は別送となりましても送料は当社にて負担致します。大変ご不便をお掛けしますが、予めご了承いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。


WE300Bの修復がナントカ終わって接着剤で再固定しているとJENSEN到着!早速作業再開です。
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写真の左側が標準のフィルムコンで右のデカいのがJENSEN。同容量でどうしてこんなにサイズが違うのかは今もって不明ですが音の良さは折り紙付き。海外ハイエンド真空管アンプにもJENSENはしばしば使われ、ある意味高音質オイルコンのスタンダードになりつつあるのは10数年これをお奨めしたきた私にとっても非常に嬉しいことです。
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標準のコンデンサーを外しJENSENに交換。バラシ作業よりも交換作業の方がはるかに短時間に終わる…ということは最初からやっておいた方が賢明ということでしょう。因みに前の投稿でJENSENの方向性について触れましたが、上の写真が正しい状態です。基板手前側がアンプ正面で外側(出力段)は黒線が下向き、内側(電圧段)は黒線が上向きと覚えると間違いありません。

そして先ほど修復したWE300Bを装着。オールJENSEN/WE300B仕様の最強バージョンです!
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JENSENは初期エージングに時間がかかります(サイズ的にみても納得)。本当は20~50時間鳴らし込みたいところですが、通電後わずか10分程度でフィルムコンとは明らかに肌合いの異なる”絹ずれサウンド”が片鱗を現し始めます。この感じ…決して半導体アンプからは聴こえてこないしっとりとした湿度感、そして音触感(音の表面のケバ。テクスチャーとでも言った方がいいでしょうか)が試聴室に満ちてきて「これぞ300B」という音にどんどん変わっていくのが分かります。

今回半日かけて色々と試してみたTU-8600ですが、出力管によっても音が大きく変化する反応の良さは勿論、使うパーツ類にもかなり敏感であることが分かりました。少々高いですがカップリングは是非ともオイルコンに!…というのが正直な印象です。そのうえで球の個性を活かす…それがTU⁻8600を最もよい形で使い切るコツのように感じました。実に良いアンプです!!





# by audiokaleidoscope | 2017-09-07 18:41 | オーディオ | Comments(0)

(9/7)TU-8600解體新書

明日の17時のTU-8600御開帳を前に多くのお問い合わせをいただいています。

Q1 サンバレーで扱うのか…もちろんYES
Q2 価格は?…当日発表
Q3 定番か?…NO【国内向け200台限定生産】
Q4 球つきの販売は?…YES【球なし,球つき(当社専売SVバージョン)の両方を販売】


といったところが主ですが、その他の音質面,発展面については下記レポートを参照頂ければと思います。

Q5 オススメの300Bは?

先日の収録時のファーストインプレッションにも書いた通り、基本的にTU-8600は従来のエレキットサウンドから脱皮した闊達さとパワフルさが基本的な持ち味であることを改めて押さえておきたいと思います。

私どもでは球つき別注バージョン「TU-8600SV」を用意している訳ですが300Bは最もニュートラルなPSVANE300Bを基本とし、Prime300Bver.4,Prime300Bver.5,PSVANE WE300Bへの差額アップグレード選択も出来るようにしています。

今回8600SV用に選べる300Bそれぞれの音質ですが…
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PSVANE 300B


中庸で繊細感があり、品質的にも安定している廉価帯No.1の300Bといえばこれ。音楽ジャンルを選ばず楽しめる良い球です。

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Prime300Bver.4


ぐっと重心が下がり、分厚く熱気のある音でジャズファンに特にお奨め。モノ盤の密集するエネルギー感は他の300Bの追従を許さない好表現。

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Prime300Bver.5


一転ver.5は音場的で拡がりのあるエレガントな表現。欧州系スピーカー(B&W,DALI,HARBETH等)とのマッチングの良さが際立つ球。クラシック,ヴォーカル系にぴったり。

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PSVANE WE300B


現行300Bの最高峰と言われるだけあって深々と沈み込む低域,キメ細やかに伸びる高域、更に言えばピークレベルでも音の荒れ(頭打ち)が全く見られない堂々たる表現は見事。

Q6 カップリングコンデンサーの交換は容易か?(おすすめは?)

デモ機のカップリングコンデンサーを替えようとしたところ、これが結構大変であることが分かりました。一度組みあがった後にカップリングを替えようと思うと一旦バラさないといけない感じです。以下その工程です。

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まずトップパネルとトランスカバーを外します。ここで基板の部品装着面が下向きであることが判明。ということは…
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コネクタを全部抜いてトランスASSYを外します。中央がRコアの電源トランスです。
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現れたエレキットならではの一枚基板。次に基板を外すためにフロントパネルも外します。
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やっと外れたメイン基板を裏返すと部品が姿を現しました。
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これが標準のカップリングコンデンサー。PP(ポリプロピレン)フィルムで4つとも0.22uF/400V耐圧です。交換する場合は同容量で耐圧400V以上である必要があります。優先順位としては両サイド(出力段カップリングC104/204)の2個、欲をいえば中央の2個(電圧段カップリングC103/203)も替えると更に音質向上が望めるでしょう。となれば当然最右翼はJENSEN銅箔0.22uFですね!!忘れていけないのはJENSENには推奨極性があること。え?と思われた方はこちらを読んでおいてください。

物流センターからJENSENが届く間にこんなことを…
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何をやっているか分かります?WE300B(1987)の修復です。ベースが緩んでこのまま使い続けると断線の恐れがあるのでリードとソケットのハンダ部分を慎重に溶かしたあと、ベースにガラスを結合させていた接着剤を除去。そして再接着、再ハンダ。一つ間違うと貴重なNOS球をダメにするリスクがあるので安易には決してお奨め出来ない職人ワザですが「こんなことも(まで)やってます!」という一つのネタとしてご紹介しました。

では続きは後ほど…。JENSENで音がどう変わるか楽しみですね!!



# by audiokaleidoscope | 2017-09-07 16:46 | オーディオ | Comments(0)

(9/5)真知亜さんの演奏会~ちょっとだけ動画あり~

思いがけず良いことがあると本当に嬉しいもの。昨日のLPに続き今日も嬉しいことが…。クラシックが好きな方は齋藤真知亜さんのことをきっとご存じの筈。日曜夜のEテレ「クラシック音楽館」でほぼ毎回お出ましの素敵なヴァイオリニストです。SV-722(マッキン)をお使いでパワーアンプは本家マッキンMC240…そうオーディオも大好きなお方。

その真知亜さんから今日戴いたDVD。6月の白寿ホール(東京)で行われた”Dialogue #5”のライブです。
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このDVDは非売品ですが、真知亜さんから外に出してもOKですよ!とお許しを頂いたので期間限定でちょっとだけご覧ください。美しく心に沁みる音色がとても素晴らしいです!

ダウンロードリンク

真知亜さんはハイレゾにも積極的に取り組んでおられ、私も番組で掛けさせて頂いたことがあります。この新譜はワンポイント録音で知られるマイスターミュージックからリリースされていて高音質盤として様々なメディアに取り上げられたので既にお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
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モーツァルト:レクイエム弦楽四重奏版/マティアス・ストリングス


またいつか、サンバレーの試聴会などで真知亜さんのミニリサイタル…なんて出来たら素敵ですね。音楽家とオーディオがこんなに近いのも真空管アンプならでは…なのかもしれません。本当に嬉しいことです。





# by audiokaleidoscope | 2017-09-05 21:07 | オーディオ | Comments(0)

(9/4)ミキサーズ・ラボ超絶の新譜を聴く!

今日届いたサンプル盤。最高の環境のなかで最高の匠によって生み出された…まさしく最高のサウンドと呼べる逸品。
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レジェンド内沼映二さん(ミキサーズ・ラボ会長)と北村 勝敏さん(ミキサーズ・ラボ カッティング エンジニア)が手掛けた「究極のアナログサウンド」と聞けば全てのオーディオファンの触手が動かない訳がありませんが、個人的にはもう一つ…7月の内覧会に伺ったMIXER'S LAB/WARNER MUSIC MATERING初の量産音源だったからです。あの夢のような環境から生まれた音をしっかり耳に刻み込みたい…そういう想いから早速針を下して聴いてみました。

再生環境は

ターンテーブル:試作
カートリッジ: Ortofon SPU #1
フォノEQ : SV-310EQ
プリアンプ:SV-310
パワーアンプ:SV-91B


音を聴いていると、もう居ても立ってもいられない!この音をどうしてもオーディオファンの皆さんと共有したい!…そこで「真空管・オーディオ大放談」と同じ手法で91Bの出力をダミーロード経由でPCMレコーダーに入力し音を録ってみました。


(注記:動画には著作権で保護されたコンテンツが使用されています。申立人はYouTube動画でのコンテンツの使用を許可していますが、広告が表示されることがあります。視聴制限なし)

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これはスペクトラムアナライザー画面は演奏が始まる前のリードイン部のF特をグラフ化したもの。この無音部を解析することで大体の音作りの肝が見えるものですが、なんとまあ美しいリニアリティ。取り込みレートは192kHz/24bitで行いましたが、グラフからも96kHzまでシームレスにレスポンスがあることが一目瞭然です。

このアルバムは2枚組で180g盤。ステレオサウンドオンラインで購入可能で9/7から出荷開始予定。ライナーノーツも公開されています。レコーディングに興味ある方にとっては必読の内容です。

内沼さんライナー
北村さんライナー

このパワー感。この情報量。アナログサウンドが今なぜ見直されているか…その答えがこの2枚組LPに凝縮されていると言っても決して過言ではありません。是非聴いてみて下さい!!







# by audiokaleidoscope | 2017-09-05 00:12 | オーディオ | Comments(0)

(9/2)久々の開放日

今日は久しぶりの開放日。先月下旬に告知したばかりなので閑古鳥だったらどうしよう?…と一縷の不安もありましたがいつも以上のお客さんでとても楽しい一日になりました。
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まずは朝イチのお客さんと「Voyage」を持って記念撮影。兵庫県加古川市の東播ジャズ倶楽部が発行するジャズ雑誌でフリーパーパーというのが信じられないクオリティです。

開放日はいつもノンテーマ。いらっしゃるお客さんの持ち込みソースだったり機材だったりをネタに皆で自由に意見を言いながら盛り上がる…それが開放日。今日も大いに盛り上がりました。例えば…
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お客さん持ち込みの6V6シングルで鳴らすLM755A in WE指定箱。モノラル再生ならではの味わいが…電源トランスの「山水」が泣かせます。
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このスピーカーは青森から参戦。Tang Bandの4インチ(10㎝)フルレンジでフロントバッフル革張りの自作品。300Bプッシュプルで鳴らすと芳醇な倍音とスケール感が出てとても良かったです。
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そして最近急激にプレゼンスが上がってきているカセットデッキが登場。アイワの高級機でオーバーホール済ということもあっていい音で鳴っていました。カセットの音を聴いているとデジタル特有のヒリヒリした高域の痛い倍音が全くなく、寛いで音楽そのものに浸れる楽しさがあることに改めて気づかされます。今更…を超えてこれから確実に「来る」一つのトレンドと言えるでしょう。
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こんな一幕も。SV-2(2007)販売当時に非常に流行った初段管のグレードアップの再現。2007をお持ちのIさんに6SN7系の最高峰RCA5692とMullard CV181の聴き較べて頂きました。写真は初段CV181,ドライブWE300B(1988)の組み合わせ。緻密で繊細なRCA5692に対してゆったりと厚みの出るCV181にIさんはノックアウト。いま市場で殆ど見かけなくなった希少なタマですが「この音を聴いたらもう戻れない」と仰って即お嫁入り決定になりました。こういう裏メニューも開放日ならではの面白さ。そのほかSV-S1628Dの211/845比較…女性ヴォーカルには211がいいね!というのが今日の皆さんの判定結果だったようです。

色々なお話をしながら気がつくと皆が仲良くなって、近々近場のカフェへJBLパラゴンを聴きに行こう!という話が急きょ決まったりりして、やっぱり同じ趣味の仲間はいいなあ!と思った一日でした。次回は10/28(土)を予定しています。「敷居が高い」とか「常連の集まりじゃ…」と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、全くそんな事はありません。オーディオを通じて音楽をいい音で聴く歓びを共有し、仲間を増やす…それがキット屋流開放日の流儀です。



# by audiokaleidoscope | 2017-09-03 01:53 | オーディオ | Comments(0)

(9/1)解禁!SV-Pre1616Dのこと

9月に入り各社から新製品のリリースが続々と出始めました。まだ公式発表前でプレリリース段階の情報レベルですが、今年の傾向は例年に比べかなり高級モデルが多い気が…。そんな中、海外から”まさか!?”という情報(まだ噂レベル)が飛び込んできています。不正確なインフォメーションで市場に動揺を与えてはいけませんので、現在更にに情報を入手すべく動いているところですが、これまで何度も聞いては消え、また聞いては消え…という内容だけに半信半疑。ただ今回のソースはかなり信頼できる筋からインプットされていますので一縷の期待も捨てきれていません。仮に本当であった場合にはタマ業界にとっては10年に一度の大ニュースと言える内容です。もう少し冷静に状況を見極めつつ開示できる段階になったら改めてお知らせしたいと思います。

そんななか、私どもから今日第一報としてお届けしたいのは来年3月リリース予定の新製品(プリアンプ)です。
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まだ試作の真っ最中でデータ取得前ですが、設計レベルで想定しているスペックと特徴についてお知らせしておきます。正式版は真空管オーディオフェア前には出せる見込み。

SV-Pre1616Dキット

形式:ライン入力専用プリアンプ
調整機構: 音量,左右バランス
入力:4系統(うち1系統USB-オプション-に変更可)
出力:2系統(Rec Outなし)
配線仕様:手配線(電源部のみ基板)
真空管構成:12AX7(3) ※カソフォロ段12AU7に変更可
整流方式:ダイオードモジュール ※5AR4に変更可
ゲイン: 15dB
周波数特性:15Hz~70kHz
シャーシサイズmm:W250×D200×H136.5
予価:??,000円(税別・送料込)
発売:2018年3月(予定)


…という感じです。音を聴いて色々と弄ることは間違いありませんので、あくまで仮仕様ですが開発イメージとしては…

2015年12月にスタートした1616(イロイロ)シリーズは真空管アンプ市場に再びキットブームをもたらした製品として国内のみならず海外でも大きな評価を頂いています。 その1616にお客様からご要望の高かったプリアンプが新登場。しかし単なるプリのキットと思うと大間違い。数々の私どもの経験とアイディアが込められています。

・SV-722(マランツタイプ)のフラットアンプを移植してイチロクパッケージに凝縮
・入力4系統のうち1系統はUSBに変更可(オプション)
・当社初のバランス調整付
・カソフォロ段を標準12AX7→12AU7に変更可
・整流段を標準ダイオードモジュール→5AR4に変更可


終売となったSV-3とSV-722(マランツ)を足して2で割った感じを1616プラットフォームで製品化と思っていただくと分かりやすいかもしれません。ただ単に移植するだけでは面白くないのでイロイロ楽しめるプリにしようと知恵を絞りました。まずカソフォロ段の真空管を変えて音の違いを楽しむという考え方は今まで長い真空管プリの歴史の中でもなかったもの。12AX7のハイコントラストな音に対して重心の下がった12AU7の音は比較としては非常に興味の持たれるところです(SV-722では真空管変更は出来ませんので念のため)。次にS1616Dで多くの方がトライされた整流素子のコンバート。プリでここまでやる?…という意見もなかった訳ではありませんが、S1616D同様にここは音作りの大きなポイントでもありますので試作上がりの段階でしっかり検証してみようと思っています。

あとはデザイン。普通のプリは箱型でタマは見えないのが一般的ですが、Pre1616Dでは上位機種SV-310,SV-300LB同様、”主張する”デザインが面白いかと。タマの差し替えも容易ですし。

そしてもう一つ。真空管オーディオフェア前にお知らせしておきたいアナログ関連のお話につきましては、その後さまざまな出来事があり、今日現在も折衝中でまだ正式にお知らせ出来る段階ではありませんが、もう少しだけお待ち頂ければ幸いです。




# by audiokaleidoscope | 2017-09-02 02:28 | オーディオ | Comments(0)

(8/21)夏休みレポートと久々のショールーム開放日!

今日から全員そろっての業務再開。考えてみると西や東にこれだけ動いたお休みは久しぶりだったと思います。色々と大変ではありましたが無事終わったなあ、と。残念だったのが自分のモノづくりが殆ど進まなかったことで、組みたいアンプのパーツが3台分も家で待っているので、何とか時間を見つけて早く仕掛かりたいものです。

キットを購入いただいた皆さんからはこのお休みの成果をメールや電話でたくさん頂戴しています。初めてのキット製作で苦労するかと思ったけど意外とスンナリ行ったという方もおられれば、原因不明のノイズに悩まされて散々探した挙句アース配線を一つ忘れてることに気づいたとか、バイアス調整の方法がイマイチわからん!とか何百キロも離れた仲間と一緒にアンプを覗いているようなイリュージョンを味わった日々でありました。

そんな中でMさんから届いた一枚の写真。SV-P1616D/多極管仕様をベースにモディファイされている実例です。
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ざっと着手部分を伺うと…

【シャーシ】

信号伝送系と電圧増幅系シャーシ部に銅箔追加(非磁性化対策)。電圧増幅段が乗っている部分は表と裏全て銅箔で包み込んでみました

【信号伝送】

高性能Audioケーブルで配線(6N系で伝送方向指定ケーブル)

【入力信号処理】

470kシャント抵抗はAudio用リケノーム品に変更。入力抵抗は2.2kに変更の上、金属抵抗(誤差1%品)に変更

【Power段の結合】

0.47μ品のAudio品に変更(耐圧650V)

【カソード抵抗のシャント用コンデンサ】

今回はメタルクラットの代わりに高域改善用フィルム系コンデンサを並列挿入

【電圧増幅段のデカップ処理】

マロリー社製電解コンデンサ50μFを追加

【GNDラインの引き回し】

6N銅+金メッキ+絶縁スリーブ品の単線で処理。SP端子からのリターン線は6N線材を使用

【ヒータ配線系】

電圧増幅段のヒータ配線は非磁性化処理を施し、電力増幅段のヒータ配線は要所に非磁性化処理してシャーシに固定

【シャーシGND】

シャーシGNDポイントの位置を変更してみました。GND点の塗装は剝して菊ワッシャーを介して1点GND処理しました。電源ケーブルのGND端子も、当該GND点に配線してあります。非磁性化処理した銅箔フィルムはシャーシ本体と電気的には多点で接続されております。

【電源トランスの固定】

トランスとシャーシの間に干渉材を挿入し、シャーシ側は銅箔を追加

【出力トランスの固定】

トランスとシャーシの間に銅箔を追加。銅コアーリング材を追加。防振材を内部に追加


…という内容で車でいえばフルチューンに近い改変がなされているようです。フルチューンとはいっても車でエンジンだけチューンナップしても足回りがついてこなければ何の意味もないように、アンプもすべては極めて微妙なバランスの上に成立した適切なヴォイシングあってのもの。Mさんのように基本を押さえながら経験に裏付けられた様々な施策はなかなか出来ることではありません。キットというのは一つの素材であって皆さんそれぞれの「オレ流」を存分に発揮されるのも趣味ならでは。パーツを替えないまでも何年か前の自分の配線を見て、「よし!もう一度やり直してもっと美しく仕上げるぞ!」というのも立派なグレードアップであろうと思います。自分で責任が負えるというのが大前提ですからね。こういうガッツある仲間もいるんだ!という一つの事例としてご紹介させていただきました。たいへん光栄なことです。

ところで久しぶりのショールーム開放日を9/2(土)10時~17時に行うことになりました。たくさんの方から「次はいつ?」とお問い合わせをいただきながら殆ど土日なく動いていた数か月間でした。少し涼しくなって時期的にも良いタイミングですので一日多くの皆さんと交流させて頂きたいと思います。

いつものように道場破り大歓迎!キットの鳴き較べや自作機器の持ち込みも大いに楽しみです。ネタは皆さん次第!楽しくやりましょう!お待ちしています!!



# by audiokaleidoscope | 2017-08-21 14:09 | オーディオ | Comments(0)

(8/18)Y邸のJBLとラジオ組立教室(特別編)

収録明けで向かったの都内のY邸。はじめて伺ったのが約1年半前でしたが今回スピーカーをリニュアルされたと聞き、早速お邪魔させていただきました。
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JBL4320のエンクロージャーにウーハーD130,ツィーター075という構成でネットワークも別誂えのオリジナルシステム。ウーハーはスルー(フルレンジドライブ)でツィーターをハイパスフィルタで重ねるというJBLが最もJBL的であった頃の音を彷彿させるサウンド。プリアンプはSV-722(C22)。パワーアンプは2種類で…
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SV-91BとSV-275(SV-8800SEの前身)。Yさんの構想としてはパッシブバイアンプ(Lo:275,Hi:91B)か175DLHをミッドに加えた3ウェイマルチ化も…ということでしたがまずは現状の音を聴かせて頂くことにしました。まずは275。ローがD130であることを忘れさせるような量感。思わず075を2dBくらい上げたくなる音で、確かに275ベースであればミッドにホーンをもってきて更なる厚みと密度感が欲しくなるのも分かる音です。

次に聴いたのが91B。これ凄かった!D130がビシッと締まり、最低域の沈み込みも見事で更に言えば075とD130のシームレスな繋がりが見事で、まさに往年のジャズ喫茶の音。91Bを聴きながらYさんにこの音が出るならバイアンプも3ウェイも不要です。まさにこの音こそがジャズそのものです!と申し上げたらYさんも”91Bでしっかり聴き込んだことがなかったけど確かに上も下もしっかり出て締まった良い音ですね!”と喜んでおられました。
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特にシビれたマイルス。フォノEQは敢えてSV-722内蔵でなくSV-6(販売終了)。ガラード401+SME 3009+オーディオテクニカAT-MONO3/LPとのマッチングも秀逸で直ちにジャズ喫茶が開店できそうな、そんな素晴らしく男気あふれるカッコイイ音でした。

そのあと神奈川へ移動。先日のラジオ組立教室の特別編的な感じでAさん宅へお邪魔してきました。夏休みの自由研究の題材にしたいということで単なるモノづくりだけでなくラジオの仕組みについてお勉強してからハンダづけの練習。
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そして本番という流れです。熱の掛け過ぎでランドが剥離してしまうピンチもあって、もっとよく見ててあげればよかったな、と思いつつ二人ともFM横浜の良い音を自分の作ったラジオで聴けて良かったです。
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完成!よく頑張りました!…そろそろ夏休みもお終いです。私どもも秋に向けて今から色々と準備していく時期。ニューモデル(プリ)の試作も遅れなく進めて10月の真空管オーディオフェアにはしっかり間に合わせないといけません。



# by audiokaleidoscope | 2017-08-19 11:21 | オーディオ | Comments(0)

(8/17)エレキット新製品”TU-8600”とカートリッジ大会

今回のMUSIC BIRD収録。一本目(10/10オンエア)ではエレキットから9月末発売の新製品TU-8600(300Bシングル)を取り上げ、その音質と魅力を紹介しています。まずは旧モデルTU-8730とTU-8600の比較試聴。そしてTU-8600とサンバレーSV-S1616D,SV-501SEとの比較試聴という流れ。
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まずTU-8730(写真中央)とTU-8600(左上)との比較では回路的特徴がそのまま音質に反映する形になりました。以前から申し上げている通り”ゲインは音力”…電圧増幅段の利得をしっかりとって出力段をフルスイングすることこそが真空管アンプの魅力を最も表出させる眼目である訳ですが、TU-8600はまさにそのフィロソフィーに副った設計で初段12AX7でゲインを稼ぎ,ドライブ段12AU7(パラ)で強力に300Bをスイングするという、エレキットアンプでは嘗てない”攻めた”設計になっています。

その結果、従来の極めてニュートラルなエレキットサウンドから脱皮。非常にパワフルで音がグッと前に出る音調のアンプになっていることが最大の特徴であり、魅力でしょう。
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TU-8600は真空管レス。これも従来と異なる流れです。そこで最も標準的な300BであるPSVANE 300Bと私どものPrime 300B ver.4, Prime 300B ver.5で聴き較べしてみました。中庸のPSVANEに対し滑らかさと響きを加えるver.4そして明るさと張りを加えたver.5の比較は聴きモノです。

後半はTU-8600とSV-S1616D,SV-501SEの比較試聴。
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ここでは設計というよりもヴォイシングの差が出たような気がします。300Bの最大の魅力といえば豊かな響きと間接音成分。滑らかで聴き疲れのない音色が300B人気の源である訳ですが、サンバレー勢に対してTU-8600は力感を表に出すタイプの音でリファレンスソースに使用したビオラのソロでは音が一本の太い線として感じられるのに対してサンバレーアンプはその線が僅かに細身になり、その中に濃淡を感じる違いが現れました。恐らくこの感じはTU-8600のカップリングコンデンサーの交換でかなり変化することでしょう。そういう意味では出力管の選択、パーツのグレードアップで更に化ける可能性を秘めたアンプであることが想像できる大器であると申し上げて良いでしょう。

価格は108,000円(税別)ということで私どもでの販売形態は未定ですが、基本的にメーカー仕様そのままと球つきのSVバージョンの2種類を展開することになるのではないかと思います。10/8~9の真空管オーディオフェアでもTU-8600の音を聴いて頂く予定で、是非ご期待頂きたいと思います。この限定生産品によってエレキットアンプの音の評価が大きく変わっていくことは間違いない…そう感じた一本目の収録でした。

二本目(10/27オンエア)はディスクユニオン JAZZ Tokyo店長 生島昇さんをお迎えしてのスペシャル企画。いつもの真空管やアンプの音の違いから少し離れてカートリッジと音源の深い関係をジャズとアナログ再生のオーソリティである生島さんのナビゲートでお送りする2時間になりました。
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ヴィンテージから現行品まで数々のカートリッジとそのカートリッジにベストマッチの音源を生島さんがセレクト。それを聴かせて頂いて私とレギュラーゲストのTさんが嘆息を漏らす…図らずもそういう流れになりました。自宅でマッキンMC-275でパラゴンを鳴らす生島さんに敬意を表してこの回のリファレンスアンプはSV-P1616D/KT150仕様。
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SHURE V15 type3/4, GEバリレラ, Goldring 1042, オーディオテクニカ530EN/540ML等のMM/VM勢に加えてデノンDL⁻110(MC)も加え、さながらレコードコンサートのような2時間になりました。私が最も心震えたのがGEバリレラ(MONO)。
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ここでかけたレッドガーランドBirk's Worksの何という熱気,厚み,そしてMONO盤ならではの前後感…アナログでしか味わえない桃源郷に完全にKOされた感じです。更に印象的だったのがテディキングのMONO盤をSV-P1616DとSV-501SEで鳴らし分けた時の差。日ごろ多極管PP一辺倒の生島さんも”300Bで聴く女性ヴォーカルは絶品”と歓喜の声を挙げておられました。

オーディオマニアはMCの方が高級で音も良い…と思っておられる方も多い筈。実際私も常用カートリッジの殆どがMCです。しかし今回の収録を通じてMMならでは良さ、全体のまとめ上げ方の上手さ、そしてステージ全体に光を当てるのでなくソリストだったりヴォーカリストにポッとスポットを当てるような表現力の高さに舌を巻き、自らの考えを改める結果にもなった2時間でした。

この感じをもっと多くの方に伝えたい…そう思いましたので真空管オーディオフェア二日目(10/9)午後、生島さんのレコードコンサートをフェア会場でやりたい!とオファしたところご快諾を頂きました。是非続きは会場で皆で楽しみましょう!



# by audiokaleidoscope | 2017-08-18 08:59 | オーディオ | Comments(0)

(8/14)10月からの新番組(仮)

二日間の骨休めが終わり明日から活動再開。この時間を使って色々と内職をやっています。まだ解禁前なので詳細はお知らせできませんが、10月から始まる予定の三つ目の新番組の音源編集をコツコツと進めているところ。「真空管・オーディオ大放談」では真空管アンプを中心としたオーディオ機器にフォーカス、「FMジャズ喫茶」ではジャズの深さをリスナーの皆さんとシェアすることを目的としてきましたが、この新番組では私たちがなかなか耳にする機会がない、でも素晴らしい可能性を秘めたインディーズバンド(アーティスト)をピックアップしていきます。

私たちの周りでは無限ともいえる⾳楽が⽇々⽣まれています。 しかしその多くは⼀度も聴くこともなく通り過ぎていってしまいます。 特に⼤⼿レーベルに頼らないインディーズミュージシャンたちの活動は多くの⾳楽ファンでさえ知らずにいるのが現実。
しかし私たちが知らないところで⽇々ライブハウスでは数多くのミュージシャンが⾃らのメッセージを発信し、たくさんのファンがそのバイブレーションを共有しています。この番組では地元はもちろん全国的に活動している様々なインディーズミュージシャンのなかから次世代のヒーローとなるべき注目アーティストをスタジオに来ていただいて有り体のインタビューと音源を掛けるというスタイルでなく、私自身がライブ会場に足を運び、魅力と可能性を感じたアーティストをピックアップ。ライブ後にインタビューを録ってライブのテンションそのままにアーティストのメッセージを届けようという狙いなのです。

初回は8/11(金)名古屋で行われたライブイベントにお邪魔してきました。いわゆる対バン形式のライブで多くのアーティストが明日のスターダムを目指しライブを展開した訳ですが、そのなかで今回ピックアップしたバンドは三つ。
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DUB 4 REASON

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愛笑む

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ROOKiEZ is PUNK'D

という布陣。いずれも魅力と個性を秘めた素晴らしいバンドです。インディーズバンドならではのストレートなメッセージと音楽性を大いに楽しんで頂ける筈。音質にも勿論こだわってフルアナログプロセッシングでマイクプリもD/A,A/Dに至るまでフルチューブでファイナライズ。
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この番組はスタジオ収録を行わず自前で完パケを作って局に送るスタイルですので準備はとても大変ですが頑張ってやりたいと思っています。是非正式告知をお待ちいただきたいと思います。



# by audiokaleidoscope | 2017-08-14 23:35 | オーディオ | Comments(0)

(8/5)子供はみんな天才だ!

夏の恒例行事のひとつ。トヨタ産業技術記念館での”週末ワークショップ”。ラジオキットの組立を通じてモノづくりの感動と科学する心を養って欲しい、という想いと共に今回も参加させていただきました。
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今回も午前午後あわせて32組の親子が参加された訳ですが、記念館自体の来場者が増えていることもあって、今回も申し込みは大変な高倍率の抽選だったようです。それもあって今までで一番ハンダ未経験の方が多かった訳ですが、みんな真剣に取り組んでくれて無事全員がラジオを完成することが出来ました。
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まずはハンダづけの見本を見てもらってから練習基板でリハーサルして早速本番。
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最初は見よう見真似だった子供たちも段々とコツをつかんで脇目もふらず集中して組立に取り組んでいます。
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分からないとき、迷った時は”センセ~!”と声が掛かってサポートに回りながら一緒に作っていく感じ。いつも思うのは子供はみんな天才だ!ということ。海綿が水を吸い込むようにどんどん上手になっていきます。不安げで最初は落ち着かなかった眼差しに段々と自信が漲ってくる様子には毎回心打たれます。
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実にいい顔してますね!こういうことをきっかけにして”やればできる!”という自信を深めてもらえたら一番嬉しいです。

このワークショップは小学生対象な訳ですが、中高生向けの企画も今後検討されていかれるそうで、チャンスがあれば更に高度なキット製作のワークショップもやれたらいいなあ、と思っています。真空管ヘッドフォンアンプなんてどうかな…と思いながら、こういう形で自分の仕事が世の中への恩返しが出来るということに心から感謝した次第です。次回も頑張ります!

※写真は参加者同意のもとワークショップ事務局が撮影したものを転載させていただきました。





# by audiokaleidoscope | 2017-08-06 20:39 | オーディオ | Comments(0)

(7/30)AIには出来ない"過程を楽しむ"モノづくり

今まで第二に色々な方をお迎えしてきましたが、欧州からのお客さまは初。とはいうものの、目的は試聴ではなくてラジオキットの組立ワークショップ。
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高校時代のクラスメイト夫妻がホストファミリーとしてスイスの若者を受け入れていると聞いたのがきっかけで、"もし良かったらニッポン流モノづくりを体験してみない?"と声を掛けたところ、うまくタイミングが合って実現となりました。スイス君だけでなく同級生のご子息も一緒で、二人ともハンダは初体験。

唯一の懸案はスイス君と英語でコミュニケーションがとれるのか…ただそれだけ。言葉さえ伝わればモノづくりのスピリットには国境はありません。実際会ってみると190cmを越える長身でブロンドの好青年。19歳で9月から新学期を迎えるこのタイミングで日本をホームステイ先に選んだそうで、幸い英語も流暢で早速製作を始めることになりました。今回教材に選んだのはエレキットの新製品TK-739
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少し飛躍しますが、最近はAI(artificial intelligence:人工知能)が注目されてdeep learninng(深層学習)により囲碁や将棋でAIが人間を負かすことも少なくありません。人間よりも高速で複雑な判断を行うことは一つの大きなメリットである一方、これから先、何かの判断をAIに任せる時代が来たときに、その思考プロセスがブラックボックス化し"なぜその判断(結論)に導かれたのか?"が軽視されることがあってはなりません。

正しい判断をするためにはその前に試行錯誤や失敗による学習が不可欠であり、その点において自ら手を動かして苦労しながらもモノづくりする意味はとても大きいのでは・・・その過程すべてが自負と他者への感謝につながる…そんなことを考えながらいつも子供たちを見守っています。合理性だけが全てじゃないよ、と思いながら。
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写真は関係各位のご了解のもとアップさせていただきました

幸い二人はとてもクレバーで落ち着きがあり、多少は苦労しながらも立派なモノづくりをしてくれました。二人とも一発完成で静かに見守っていた大人たちも大きな感動を共有することが出来ました。生まれた国や育った環境は違ってもみんな一緒で皆仲間。とても楽しいひと時でした。



# by audiokaleidoscope | 2017-07-31 17:50 | オーディオ | Comments(0)

(7/27_2) KR2A3/300Bの音とは?…不思議な逆転現象

2本目(9/29オンエア)はレギュラー企画でTさんと私の二人で収録。
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2A3と300Bを無調整で差し替え可能な真空管プリメインとしてたくさんの方に使って頂いているJB-320LMSV-2300LMが登場。目的は現行の定番球といっても良いGoldenDragon2A3premiumPrime300Bver.4をベースとしていま密かに注目を集めているKR(チェコ)の高級2A3/300Bを聴き較べてみよう…それもシングル/PPで一気に総まくりテストして評価しよう、というテーマです。

KR真空管は高価格ながら家内制手工業的な丁寧なモノづくりで定評あるところですが、少し注意が必要なのは例えば211/845であれば通常の10V/3.25Aに対して10V/1Aだったり300BXLSのように通常5V/1.2Aであるべきところ5V/1.8Aだったりとフィラメント定格が独自仕様となっているものが散見され、いわゆる通常の211/845アンプや300Bアンプでは使えない(改造が必要な)球が存在することです。今回はそんなKR球から一般的な2A3/300Bと同定格なもの(そのまま差し替え可能な球)を選んで音質比較することにしました。

ずっと聴き慣れているGoldenDragon2A3やPrime300Bに対してKRがどんな音を聴かせるのか、私も非常に興味を持っておりましたが、たいへん面白い結果が出たことを先ずは報告しておきます。個々の音色についてはオンエアでその機微をご確認いただくのが一番ですが、特筆すべきは一般に「シングルは音色(ねいろ)」,「PPは響き」という言われることとは反対の傾向、すなわちシングルではクリーミーな円やかさ、逆にPPではトランジェント(音の立ち上がり)の良さと低域の締りが出たからです。これは長い私の真空管との戯れの中でも殆ど経験がないことでした。
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KR2A3。シングルにおける音の溶け合い方の美しさが際立つ表現。

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KR300B。大型化されたプレートに合わせて根本が太くなった存在感が際立ちます。私たちが聴き慣れている300Bよりも高精細な表現。
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今回最も注目していたKR300BBalloon。プレートはKR300Bとおそらく同一ですがサポートロッドが4本に増えてリジッドな構造になっています。300Bにしては異例に透明感のある輝かしい音でした。

合計11通りの音を出して比較した訳ですが、KRではどのパターンにおいてもPPの方がシングルよりも音が締まるという逆転現象に対して私もTさんも或る意味首を傾げつつ、球のスペックを見て合点がいった気がします。

KR球は独自の定格を持つ(ものが多い)ことは上記した通りですが、今回取り上げた三種類の直熱三極管は全てプレート損失(車のエンジンでいえば排気量)が全て通常球よりも10~20%程度上がっています。2A3であれば通常15Wに対してKRは20W。300Bであれば通常40Wに対して50W。驚くべきは300Bで何と最大プレート電圧550V,最大プレート電流120mA(!!)という凄さ。845ですら100mAな訳ですから如何にKR300Bがハイレギュレーションであるか分かります。

恐らくは通常設計のPPではKRの最も”美味しいところ”に届いてない…これが私の推論です。結果三極管ならではの解れや厚みがPPでは今一つ来なかった、ということかもしれません。一方シングルではそれぞれの球の良さが出て大変魅力ある存在であることも確認した次第です。裏を返せば”もっと低域を締めたい、更にパワーを出したい”という方には従来の2A3や300Bとは隔絶したパフォーマンスが期待できる訳で、ここがKRの使いこなしの要諦であろうと感じた次第です。

最近のトレンドの一つである「上位互換」球の流れ。KT150のように極めて短期間でスターダムに上った球もあります。2A3シングルで5W,300Bシングルで10数W…これがいつの日か常識になる日がひょっとしたら来るのかもしれませんね。”ところ変われば品変わる”…チェコの音を堪能できる2時間です。



# by audiokaleidoscope | 2017-07-29 05:32 | オーディオ | Comments(0)

(7/27_1)懐疑派の陥落

今回のMUSIC BIRDは9月後半オンエア分の収録(2本録り)。まずは一本目。

告知によれば

「今回はケーブルに対して懐疑的な2人(大橋・高山)が「ケーブルで音が変わる派」と対決。「音が変わる派」代表はオーディオ実験工房でおなじみ、みじんこ荒川さん。みじんこさんが電源ケーブル、ラインケーブル、スピーカーケーブルなど各種ケーブルを持ち込んで音の変化を検証します。ケーブルで真空管アンプの音はどう変わるのか?写真家でベース弾き、オーディオファンで真空管アンプも使用している平間至さんも「変わる派」スペシャル・ゲストで参加。

ということですが、アンプ設計の立場から言えば能動系=アンプの音の変化の方が受動系=ケーブルの変化よりも大きいに決まってる!という刷り込みもあって、今まであまり(というよりも半ば意図的に)ケーブルについては意識しないようにしてきた部分が正直ありました。その一方でオーディオ実験工房のオンエアを聴いたり、今回のスペシャルゲスト平間さんの家や写真館でケーブルによる音のチューニングの様子を見させていただいているうちに”これはひょっとしてひょっとするんじゃないか!?”と思い始めたこの半年ほど。そこで荒川さんと平間さんにオンエアでリスナーの皆さんと一緒にケーブルによる音の変化を共有してみませんか?と提案させていただき、今回の収録が実現しました。

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増幅系は192PRO,192A/D,S1616D/KT150で統一。全ての比較においてゲイン等一切触わない状態で収録しました。

実は収録前日に搬入と前段取りをした後に食事でもと思い、局の近くの中華によったら偶然にもレギュラー収録を終えた荒川さんと炭山さんと遭遇!やあやあ!明日よろしくお願いします!!とお話していたら実験工房のゲストでいらっしゃっていたメーカー「光城精工」のTさんが同席されていて、オーディオ用電源タップをお持ちと伺い、初対面でしたがその場で出演オファ。収録ではまず通常のOAタップとの比較からスタートします。この比較の音の違いは私にとっても鮮烈なもので、オンエアを聴いて頂ければおそらく10人中10人がその音の明白な違いを認識頂けるほどの差。正直私が一番痺れた…かもしれませんが。
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この状態をデフォルトとし、以降はオヤイデ電気の電源ケーブル(パワーアンプに装着),ラインケーブル(プリ/パワー間で装着),スピーカーケーブル(パワーアンプ/ダミーロード間に装着)して比較試聴していくと、受動系と言えないほどの音の個性が明白に現れて懐疑派代表の大橋/高山陣営もタジタジ。電気的,測定的には説明が出来ない伝送系素材と構造による音の変化をも人間の聴覚は認識できることに改めて驚きと感動を覚えました。特に電源プラグのブレードのメッキ無/有りで音質が変わるなんて今までは”ホントかなあ~?”というのが正直なところでしたが、これもオンエアを聴いて頂ければ必ずや分かっていただける筈。たった2時間で懐疑派は白旗を挙げて陥落する結果になったと申し上げておきましょう。

最後の方で平間さんが仰っていたこと。”ケーブルで音を作るというよりも環境によって発生する様々な要因をケーブルで補うんです”…蓋し名言!真空管アンプの魅力をより引き立たせる為の重要なツールであることを教えて頂くことが出来た、個人的にも非常に有意義なひと時でした。




# by audiokaleidoscope | 2017-07-29 03:23 | オーディオ | Comments(0)

(7/24)若き挑戦者

今日は午前中試聴のお相手。午後は”FMジャズ喫茶”の収録という一日。
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今日の試聴のお客さまはショールームオープン(2003)以降、最年少では…?と思われるほどの若者。最近の若い人は(という時点で自分が如何に年齢を重ねたか分かりますね)、何か言葉のボールを投げても「…あ、はい」とか「いや、まあ、とりあえず…」的な曖昧で(良くいえば慎ましやかな)ハッキリしない方が多く、もっと自分をストレートに出せばいいのにな…と思うことが少なくない訳ですが、今日いらっしゃったMさんがオーディオが好き!というピュアな気持ちが伝わってきて、とても爽快で嬉しいひと時になりました。

MさんのターゲットはVintage S12。訊けばS12に搭載しているユニット(Sica/Z007360)をすでに所有しておられ、密閉,バスレフでエンクロージャーを自作されたものの満足な低域が出ずに困っておられるとのこと。このユニットは96dB以上/w/mという超高能率と指向性を絞った深鉢仕様のユニットの特性を生かすために、なるべく大きく響きの良い材料でエンクロージャーを作ることが非常に重要であることを説明し、ウチのユニットは高域側のサブコーンは独自のダンピング剤を塗布して高域の荒れを抑えていること、シナ合板ではこの響きは出ないので素材選びには十分気を付けてということも申し上げました。

それでアンプはどんなものを使っているんです?…と伺うとアンプも自作とのこと。この若さにして溢れるクラフトマンシップに感心していたら”アンプ持ってきてます”ということなので、じゃあそれでS12を聴きましょうよ!ということに。
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Mさんの自作アンプ(右)と音質比較用のSV-S1616D/300B。MさんのアンプはクラスD(デジタル)アンプで出力は確か400W(!)。対してS16は8W。試聴ソースはマイルスのKind of Blue。
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言わずとしれたJAZZの名盤中の名盤。おそらくこれまで数えきれないほどのリイシューを重ねてきて正直音質も玉石混交な訳ですが、これは安くて音質もGood!です。

私も球アンプ以外でS12を聴いたことはありませんでしたが、同じオーディオアンプでもクラスDと真空管では音の根っこからの差異をより明確に出す辺りは高能率ユニットならではかもしれませんが、特に高域の質感…独特の粒子感と時に感じる先鋭感がクラスDアンプの音質的特徴と言えるかもしれません。

一つのサンプルをお見せします。上のサイン波が或るクラスDアンプ(Mさんのアンプではありません) 。下がS1616D/300Bです。
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1W出力時(1kHz)の波形です。著しい差異はないと言って差支えありません。
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こちらは同じく1W出力時(10kHz)の波形です。クラスDアンプに僅かな波形の乱れが発生しているのを確認出来ます。もちろん全てのクラスDアンプがこうだとは言いませんし、被検アンプが偶々こうだった可能性もありますが、一般にクラスD増幅ではパルス幅変調(PWM)出力波形からオーディオ信号を抽出するためにローパスフィルタを外付けする必要があり、この設計で音質ならびに特性に大きな差異が出ます(最近のアプリケーションでは外部フィルタリングが不要なもものも多いようです)。

人間の耳はこの僅かな差異も鋭敏に感じる訳ですが、Mさんも”音の質感そのものが全然違うんですね”と仰りながら興味深そうに聴いておられます。最近はクラスDアンプを出力部に持つアンプでも電圧増幅段に真空管を用いるケースがかなり出てきており、Mさんのアンプもこうすることでアナログ的滑らかさを得られる余地が十分にあることをお伝えしました。若者のピュアオーディオ離れが懸念されるなかで、Mさんのような意欲ある若者にはこれからも大いに腕を磨いて頂いて再び道場破りに来ていただきたいものだと思いながら、Mさんには折角同じユニットを持っているんだからS12の寸法を測って自作されては?よかったらまた遊びにいらっしゃって!…と提案してお見送りしました。

収録が終わって会社に戻りメールチェックと共に受注データを確認するとMさんからS12のご注文が…。短い時間でしたが何かを感じて下さったんだな、ととても嬉しい気持ちになった一日でした。




# by audiokaleidoscope | 2017-07-25 00:52 | オーディオ | Comments(0)

(7/21~22)オーディオの快感と音楽の感動と

東京から戻ってほとんど切れ目ない試聴対応。金曜は朝8時~夕方6時前までずっと試聴室に入り放しという状況。当然のことながら全ての方のニーズが異なり、レストランで云えば全てア・ラ・カルトメニュー。一期一会の対話から生まれる音の邂逅を楽しむ時間が続きました。

そんな中で印象深かったのが神奈川のUさんとのひと時。わざわざ前泊されてスピーカー持ち込みでの試聴でした。
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最近スタジオでよく見かける”ムジーク”(独:musikelectronic geithain)のスピーカー。スタジオ関係者のみならずミュージシャンからも”ムジークいいねえ!”とは聞いていたものの、スタジオではほとんどがパワード(アンプ内蔵)モデルであったこと、パッシブ(アンプレス)モデルを実際聴く機会がほとんどなく、その実力については寡聞にして存ぜず、というのが本音でした。

今回Uさんから試聴予約のメールで”ムジークをSV-9TSEで鳴らしているんですが他のモデルでも試聴したい”と伺った時から、この機会を逃してなるものか!と思い楽しみにお待ちしていたという訳です。
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これがUさんの愛機ME25。元々はレコーディング環境での近接モニタリング用途のモデルで音楽鑑賞用というよりも検聴用のスピーカーであることから実際音はどうなのかな?…と思って思いながらUさん標準のSV-9TSEで鳴らしてみると、無機質どころか太々として筋肉質な9Tサウンドそのものでちょっと安堵。ローがモリモリと出てきます。

SV-S1616Dの300B仕様やKT150仕様で鳴らしてみると音の傾向が通常のスピーカー以上に変化。Uさんも”やっぱりモニターですね。全く表現が変わる”と言いながら最後に鳴らしたSV-S1628Dで別世界が現れました。
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左が845,右が211。まずは845で鳴らすと高域のキレとスピード感が今まで鳴らした全てのアンプより増すだけでなく、ローの沈み込みがPP以上で且つ締まって低域の音階が情緒的にならずしっかりと聴こえてきます。少々手前味噌になります昨年暮れにデビューしたばかりの新製品でありながら、「サンバレーのSV-2は初代モデルからNewSV-2,SV-2(2003),SV-2(2007),SV-2(2011),SV-S1628Dまで全て使ってきましたが音は1628が一番良いです(札幌のMさん:原文ママ)」と言って下さる方が実は多く、海外を含めて好調に推移しているのは本当に有難いこと。特徴的なのは国内では7割が845,海外では7割(以上)が211という売れ方の違いです。211に替えるとしなやかな三極管サウンドに変化し温度感が上がります。出力は半分に下がりますがムジークではピークで歪むなどの問題は全く見られず、Uさんは「基本845で鳴らして気分とソースで211を使うことにします」という結論になった次第。硬派で知られるムジークが845/211でこんな風に鳴ることを知って私も大変参考になりました。

金曜最後の来客は翌日の本番を控えて前ノリされたN響のYさん(ヴァイオリン)。SNSのポストをトレースしてみたら試聴室は何と2年半ぶりのご来訪ということでネタには事欠くことなし。話が尽きずに一杯吞みながら大いに盛り上がりました。そして今日…。
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年に一度の地元定期。ベートーヴェン,チャイコスフキ,アンコールのモーツァルトというお手盛りプロながら透明感とアンサンブルのスケール感が最高レベルで同居したサスガ!国内最高峰!!の名演を満喫させて頂きました。この広大なダイナミックレンジは生でしか味わえない…のは事実かもしれない。でも私たちはオーディオならではの快感と音楽の感動の両方を見つめながら、これからも更なる高みを目指す!…そんな気持ちになった今日でした。



# by audiokaleidoscope | 2017-07-22 23:20 | オーディオ | Comments(0)

(7/19_2)カッティングの違いを音で知る

昨日の鮮烈な体験を忘れないうちに備忘的に記録しておきたいと思います。
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昨日ミキサーズ・ラボでカッティングの実演を見させて頂いて、実際プレイバックを聴いて思ったことは「カッティングでこんなに音が変わるのか!」ということ。散々いろんなことを質問して帰りがけにいただいたデモLP。左がすでにリリースされているステレオサウンド盤。右が今回ミキサーズ・ラボで新たに切ったサンプル盤(非売品)。音源(マスター)は同一。これを比較しない手はありません。

聴感上はミキサーズ・ラボ盤の方がワイドレンジ。特に高域のキレが良い。一方ステサン盤は中低域がマッシブで音が前に来る感じです。ではこれを定量的(波形的)に較べてみることにしましょう。同じターンテーブル(pro-ject/RPM9.1),同じカートリッジ(DL103),同じフォノEQ(SV-192A/Dのフォノ入力)同じレコーダー(KORG/MR-1000‗44k/16bit),同じ録音レベル…つまりソース以外は全て同じにして頭出しを1/1000秒レベルで完全に合わせて録音。正確に比較するために特定の曲のRchだけを切り出して並べてみたのが下の画像です。
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赤丸部分を注視してみて下さい。ミキサーズ・ラボ盤の方がカッティングレベルが高い(約1.5dB)ことが分かります。単純にレベルを上げるのは難しくありませんが、その分ピークを歪ませないよう細心の注意とノウハウが必要な訳で、この差が両者を比較した時の情報量の違いとして感じられることに大きな意味があると考えます。
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そして何度か録音しているうちに面白いことに気づきました。曲の頭はドンピシャで合わせたにも関わらずタイムスタンプ約55秒のところでミキサーズ・ラボ盤の方が約0.03秒進みが早いようです。あるいはターンテーブル側のワウ・フラッターか?と思い何度かやり直しても結果は変わりませんでした。マスターがデジタルですのでスピードの差は当然ありません。ということはステサン盤のカッティングマシンとミキサーズ・ラボのカッティングマシンの僅かな回転数の違いがこの差になっている…のかもしれません。

その他音場感の違いをオシロのリザージュ波形で比較するとどうなるか?出力の高調波成分の分布はどう違うのか?…等々いろいろと調べてみたいことがあります。音は目に見えないから面白い!測定で取得できるパラメータは本質的な音の良し悪しとは直接的な相関を持たないことは真空管アンプの設計を通じてずっと感じてきていることですが、最近何とかして「音の見える化」が出来ないかと沸々と感じることが多くなってきました。

私たちは音をどこで聴き、何を感じているのでしょう?鼓膜の振動だけでなく皮膚を含めた体全体で私たちは音を感じているという研究も進んでいるそう。真空管アンプの音をどうして私たちは心地よいと感じるのか?…感覚的なだけでなく理論的に証明してその優位性が更に明らかになれば、この業界で頑張っている多くの先輩や仲間にとって大きな力になるのではないか…最近特にそう感じています。







# by audiokaleidoscope | 2017-07-19 22:52 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


by Ohashi
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