2018年 01月 14日 ( 1 )

(1/13)例えるなら彫刻

今日はSさん宅に伺ってきました。増幅系が入れ替わって3ヶ月ほど。”一度音を聴いてよ”とリクエストを頂いて待ってました!とばかりお邪魔した次第です。
b0350085_22203037.jpg
まず目を奪われるのがこのスピーカー。WilsonのCUBかと思いきや国産の”BELLTECH”というブランドの製品だそう。なかなか手強そうな面構えで、音を聴くとかなりセッティングに敏感なタイプのスピーカーであることが分かります。半導体アンプであれば恐らく100W以上は必要な音場再生型の現代スピーカーです。ずっと前Watt+Puppyを使った経験が今日はたいへん役に立ちました。
b0350085_22204667.jpg
CDトランスポートTL3 3.0からAES/EBUデジタルケーブルMC-3+USBに入力(リクロックモード)。MC-3から同じくAES/EBUケーブルでSV-192PROに入力する方式。CDを聴くための最も望ましいセッティングの一つと言えます。プリは私どもでオーバーホールさせて頂いたEAR 864。その出力をSV-91Bが受け…
b0350085_22204887.jpg
更にSV-284Dがブースターモード(Non NFB)で繋がりスピーカーを強力にドライブします。

Sさんはビオラを弾く方で生音のダイナミックレンジをよくご存じです。

オーデイオ再生の基本ポリシーはストレスフリーです。
電源も音の信号も、再生スピーカーも全てストレスを与えずに、素直に流れる、鳴るが基本です。それが生音に一番近い感じがします

というポリシー通りの対策が各所に見受けられました。写真からも制振に配慮されている状況が見て取れると思いますが、なかでも関心したのがトランスポートとスピーカーのインシュレーション。
b0350085_22213992.jpg
TL3 3.0の標準フットの下にインシュレーターが追加されている訳ですがその下に分厚いアクリル板が2枚あってその間にサンドイッチされているのが発泡性のゴム。つまり仮想的にTL3が浮かんでいるようなセッティングです。TL3はスタビライザー一つで音が激変することを経験済みで、そういう意味ではセッティングにも敏感です。

スピーカー周りでは…
b0350085_00595816.jpg
これはスピーカー本体とスタンドの間を接写したもので、幾つかのインシュレーターらしきものが見えますが実際本体とスタンド両方に接しているのは中央のキンツバ型のもののみ。

これは先日のブログをご覧になって早速導入頂いた”奏(KaNaDe)”の02BF。Sさんによれば02BF導入によって音の開放感が増したとのこと、実は私どものアンプでも”奏効果”は実験済ですので、いずれ詳しくレポートしたいと思います。

このようにセッティングも含めてほぼ完ぺきにインストールされていたSさんのシステムで私が触らせて頂いたのはツィーターのレベルを1.5dB程度下げスーパーツィーターの指向性修正のため少し下向きに修正させて頂いたことのみでした。ファントム定位(音像の浮かぶ位置)を僅かに下げたかったからです。
b0350085_22242310.jpg
これは現代ハイエンド系スピーカーではよく使われる手法ですが、ツィーターを追加する場合には非常に有効でもっと広く知られるべき重要なノウハウです。例えば…
b0350085_01422774.jpg
b0350085_01421370.jpg
Focal/Grande UTOPIA EM
by courtesy of WILSON AUDIO and FOCAL JM LAB

このようにユニットの指向性をコントロールすることにより音場が適切に生成され三次元的なサウンドステージを得るのに極めて有益です。今日Sさん宅で特に良かったのが…
b0350085_01524196.jpg
※画像転載許可:e-onkyo music

これは最近業界でリファレンスの一つとなっている音源の一つで、装置のセッティングが決まると2つのスピーカーの間にリアルサイズなマリンバが浮かび上がり、音階が変わるたびに音の出る位置が左右に揺らぐ快感がとても気持ち良いのです。逆に言えばその感覚が得られない場合はセッティングに何らか改善点が潜在している厳しさも内包している訳ですが、Sさんのシステムはまるで彫刻のように立体的なマリンバが現れて過去聴いたことのないリアリズムが出来(しゅったい)して感激しました。

現代スピーカーを真空管アンプでしっかりと鳴らし切るのは周到な機器の選択と適切なセッティングのバランスの上に成り立っている訳ですが、Sさんのシステムは極めて成功している一つのサンプルといえると思います。

帰宅後、Sさんからメールをいただきました。

ただ今、reference盤のズスケトリオのートーベンの弦楽四重奏Op.127を聞いておりますが、あまりこんな形容詞を使ったことがないのですが just凄い!
音が一体となって綺麗に分離しています、高音低音も限界がありません!

機会あればまた聴かせて頂きたい音の一つです。有り難うございました!



by audiokaleidoscope | 2018-01-14 02:31 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


by Ohashi
プロフィールを見る
画像一覧