2017年 09月 15日 ( 1 )

(9/14)徹底研究シリーズ SV-91B, SV-P1616D/多極管仕様

今日はMUSICBIRD収録。今回は”徹底研究シリーズ”としてパート1:SV-91B,パート2:SV-P1616D/多極管仕様を取り上げました。
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まずはSV-91Bの回(オンエア11/10)では真空管アンプの音を決定づける重要な要素として

・出力管の選択(三極管,多極管)
・回路形式の選択(シングル,プッシュプル)


以上で人間でいえば骨格が決まり、そのうえで音に重要な影響をおよぼすものとして配慮すべきは

・出力管の動作点の決定
・ゲイン配分
・十分な電源回路


が基本です。ここでアンプのキャラクターの約70%が決まり、特性的な部分はほぼ決まってくるということになります。一方で残り30%をどう追い込んでいくかが実は最も重要で楽器であれば”鳴り”に直接大きな影響を及ぼす”キモ”の部分と言い換えることもできます。料理でいえば立派な厨房設備と最高級の素材と完璧なレシピがあっても最後は人の手でいかに食べる方に美味しく食べて頂こうという”思いやり”があって初めて本当に美味しい料理が出来るのと一緒です。

オーディオでも同じで特性は素晴らしくても音に魅力がない…言い換えれば心に響いてこないものも沢山あります。今日はSV-91Bを素材に使い残り30%の味付けによって音がどう変わるかを実際にスタジオで検証実験を行いました。まずはNFBの変更による音の変化(無帰還,帰還量(小),帰還量(大)の比較)です。

NFBとは

増幅回路のなかで歪みが生じていると、出力側に歪んだ波形が現われます。歪んでいない入力波形と歪んだ波形とが比較され、引き算の結果である差分を入力に戻すことで出力波形に現れる歪み分をキャンセルしようというのがNFBの基本です。

①無帰還
②帰還1.7dB(Rnf=47k) 初期モデル標準
③帰還4.5dB(Rnf=15k) 現行モデル標準


理論上は帰還量が多ければ多いほど諸特性が改善する筈ですが、実際はそうならない訳でむしろ深すぎる帰還は音の鮮度が失われるだけでなく、最悪の場合アンプを破壊する極めてクリティカルな部分です。

続いて行ったのがカップリングコンデンサーの交換による音の変化をリアルタイムに聴く実験です。これは面白かった!

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標準DEL RITOMO

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グレードアップ JENSEN 0.1uF(銅箔)

カップリングコンデンサーとは

真空管同士を繋ぐコンデンサカップリングコンデンサーと言います。コンデンサーは交流電流は流しますが直流電流は流しません。音楽信号は交流なので次の真空管へ流れますが、真空管の出力電圧は直流なのでカップリングコンデンサでカットされる仕組みですが、ここが音質に与える影響は極めて大きなもので一般にパワーアンプではオイルコンを用いることが音質改善に与すると言われています。SV-91Bでは標準でもオイルコンが採用されていますが、更に音質を向上させるための決定打がJENSENです。

①標準(デル・リトモ オイルコン 0.1uF)
②JENSEN 0.1uF
錫箔
③JENSEN 0.1uF銅箔

を比較した訳ですが、錫泊と銅箔の比較はこの番組でも初の取り組みです。繊細感重視の場合は錫,エネルギー感重視の場合は銅になる訳ですが、その如実な音の違いがスタジオで確認できました。

以上を比較した結果、帰還量4.5dB(Rnf=15kΩ),カップリングJENSEN銅箔が最も好ましいという結果が出たので、これをデフォルトとして次に

真空管による音の変化を確認しています。

①標準(LM310A-Prime300Bver.4-GD274B)
②PSVANE WE仕様
③オールWE(刻印)

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標準仕様

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オールWE仕様(WE310Bメッシュ-WE337Aメッシュ-WE300B-WE274B)すべて刻印40’s

この部分に関してはオンエアでその差を感じて下さい、としか申し上げようがありません。あえて言葉で表現するとすれば標準,PSVANE WE,オールWE(刻印)と聴き較べていくなかで深み,懐の深さ,陰影といった部分において明示的な違いが現れていることを理解頂けると思います。

続いてはパート2(オンエア11/24)ではSV-P1616D/多極管仕様の最大の魅力であり特徴である様々な出力管の無調整差し替えを通じて真空管アンプの最大の魅力である豊かな楽器性を楽しんでいただきます。従来と異なるのは電圧増幅段(初段/ドライブ段)の差し替えを行ったこと。大変興味深い結果が出たことをお知らせしておきます。

1.電圧増幅管の変更
①GD12AT7/GD12AU7(標準)
②JJECC81/JJECC82
③JJECC81/Gold LionECC82
④TelefunkenECC81/Mullard CV4003

ここで素晴らしいパフォーマンスを発揮したのはGold LionECC82でした。正直あまりマークしていなかっただけに、その見事な力感とレンジ感にスタジオにいた全員が唸ったというのが正直なところです。

続いて行ったのが

2.出力管の変更
①Golden Dragon EL34/6CA7
②TUNG-SOL 6L6GC STR
③Gold Lion KT66
④Gold Lion KT88
⑤GD 6550C
⑥TUNG-SOL KT120
⑦TUNG-SOL KT150
⑧GEC KT88(オリジナル)

の比較。電圧増幅段は評価の高かったJJ ECC81/Gold LionECC82に固定して各種出力管の音を比較した訳ですが、同ブランドの強みかGold Lion KT88のパフォーマンスが非常に印象に残りました。その他TUNG SOL 6L6GC STR,GD 6550C,TUNG SOL KT150なども好表現であえるなかで、やはり別格だったのはオリジナルGEC KT88の音でした。

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TUNG SOL 6L6GC STR

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Golden Dragon 6550C

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Telefunken ECC81,Mullard CV4003,GEC KT88


…こんな感じの収録でした。私自身にとってもいくつかの気づきがあり、楽しい収録になりました。詳細は是非オンエアで!!現在コミコミLightが大好評ということでリスナーさんもドンドン増えているそう。出る側も更に頑張ります!!




by audiokaleidoscope | 2017-09-15 08:26 | オーディオ | Comments(0)

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