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耳とシステムの健康診断を!

怒涛の6月(イベント月間)の最後となった千葉OFFを終えて帰宅し泥のように眠ったあと目覚めると左耳だけ蓋をしたような感じで明らかに低音が聴こえ難い状態。すわ突発性難聴か!?と思い知り合いのドクターに相談したら直ぐおいで、ということになり即診察していただいて静注,投薬により幸い恢復。耳は何よりも大切な商売道具で且つ早期治療が極めて重要と聞いていたので正直焦りましたが再検査の結果、全く問題なしということでホッとしています。

今回ご提供するのは音楽ではなくサイン波(シングルトーン20Hz~20kHz)のスウィープ音源で、皆さんの聴覚ならびにオーディオ機器のリニアリティ確認のためのものです。


少し見難いですが聴取時の再生周波数は画面下部のグラフに表示されます。試聴すると一般的な結果として50Hz以下ならびに15Hz以上において感度が下がり3kHz~4kHzにおいて感度が上がっていることが分かります。そもそも人間の耳の感度はリニアではないのです。
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これは”等ラウドネス曲線”といい周波数を変化させたときに等しいラウドネス(人間の聴覚による音の大きさ)になる音圧レベルを測定し等高線として結んだものです(図画はWipipediaパブリック・ドメインから転載)。

例えば100Hzと3kHzでは最大30dBもの音圧差がある(3kHzが大きく聴こえる)ということが上のグラフから分かります。一時期プリメインアンプに”ラウドネス”というスイッチがあったのは感度の低い低域を補正(ブースト)したものと言えば分りやすいかもしれません。

本音源オーディオ機器(特にスピーカー)のチェックにも極めて有効です。通常の聴取音量より若干大きめにして再生することにより

1. 左右音量(能率)の偏差
2. 特定帯域による歪(あるいはノイズ)
3. 特定帯域(特にクロスオーバー周波数付近)におけるピーク(ブーミング)あるいはディップ(落ち込み)

が確認できます。音源を聴いていると特定の周波数でファントム定位が左右に揺らいだり、特に低い周波数低域によって再生レベル(音量)が小刻みに偏移することに気づきますが、これは主に機器でなくルームアコースティック(反射ならびに回折)が悪さをしている場合がほとんど。私がお客さま宅でシステムの健康診断をさせていただく際は必ずこの音源を使いますが、基本的なプロファイルはこれ一つで把握できます。

これを使って自分の耳だけでなくシステムのリニアリティチェックをしてみて下さい。”見ぬもの潔し”という言葉がありますが、自分のオーディオのなかで機器のカタログデータが如何に些細なものであるかに気付くかもしれません。




by audiokaleidoscope | 2018-07-07 23:59 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


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