(1/18_2) 現行MC & 驚愕のハイエンドカートリッジの競演
2018年 01月 19日
・AT-F7 38000円
の8種類。MMの回でも申し上げたことですが”メーカー(ブランド)の音”というものが確実に存在すること。これはオンエアを聴けば全ての方に理解頂けると思います。敢えて言うと中庸であらゆるソースに適合するデノン,ワイドレンジで切れ込みのあるテクニカ,豊かさと厚みで聴かせるオルトフォン…というところでしょうか。よく言われるカートリッジブランドの音の傾向(評価)はかなり実態に近い、という印象でした。
今回興味深かったのが同クラスのモデルでも丸針と楕円針の違いがはっきり出たこと。一般には楕円針の方が高解像度でレンジも広いという理解であり、その音質傾向は今回の収録でも如実に現れておりますが、その一方で楕円針を使って伸びた高域が及ぼす中域,低域への影響が元々のカートリッジの個性に対して全てプラスに働く訳ではないとうことに気づいたこと。むしろ丸針の方がまとまりよく均整のとれたバランスで聴けるカートリッジも少なからずあったことを書き留めておきたいと思います。
個人的に印象に残ったのはデノンではDL-301II。DE-301に彫りの深さとパワー感を加えた表現で今まで301の音を殆ど知らずにきた自分の不明を恥じました。テクニカではAT-ART9。テクニカならではのワイドレンジさに止まらず、全帯域に亘っての位相特性の良さ=音場再生能力の高さは価格に十分見合うものです。更に低域のダンピングの良さも特筆に値するものでした。
オルトフォンでは#1S。GEには帯域感で僅かに後塵を拝するものの5万円台でこの自然さ、豊かさ、空気感は実に素晴らしかった。是非皆さんご自身の耳で各ブランドの百花繚乱を体感頂きたいと思います。
これを作ったのはトップウイングのSさん。トップウイングといえばifi-Audio,M2TECHの輸入元として知られるハイレゾ関連機器のトップランナーである訳ですが、今回超高級カートリッジに参入したというニュースを最初聞いたときは大変驚きました。今回はSさん自らに製品説明をお願いして実現した企画です。
青龍,朱雀はMMともMCとも異なる”コアレス・ストレートフラックス方式というもので構造的にはMM,電気特性はMCというもの。SV-310EQのMC(Lo)入力で聴かせていただくことにしました。
青龍の音…これはもう音色とか帯域とか情報量というパラメータでは語れない、今まで聴いたことのない音。物理的にアナログが絶対にデジタルに勝てないと言われてきたクロストーク特性やSN感が超絶的に凄いということをまずレポートさせて頂きます。
青龍のハウジングはジュラルミンで付属シェル込みの重量は30g。言い換えればマス(重量)と剛性を上げて安定させる…そして最大の秘密はダンパーの設計にあり…そんなお話も伺えました。まあ凄かったです!
そしてついに登場した朱雀。こういう形でメディアに登場するのはこれが初でしょう。