(12/15)”聴く鏡”と”視る鏡”

暫く間があいてしまいました。会社に大丈夫?と連絡を下さる方もいてご心配をお掛けしたことをお詫びしますが元気です!

今日は東京。まず目指したのは二度目のケンリックサウンド。先日伺った際にモノづくりと音づくりの双方が極めて高いレベルで融合している事にに大いに感銘を受けた訳ですが、その際私どもアンプを試聴してみたいと仰られ今日持ち込み試聴をさせて頂きました。
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今日のスピーカーはJBL C38 BARON(改)。D130フルレンジ駆動+075の2ウェイです。075が内側のレイアウトになっているのはを2kHz台の低い帯域でクロスさせ075が基音帯域まで担っているから。まず常設のアンプで聴かせて頂いてからSV-91B(PSVANE WE仕様)で試聴頂きました。出力9W強と決して大出力ではないものの駆動力は数十Wのプッシュプルにも劣らない91B。ケンリック試聴室の音量に対して果たして持ち堪えるか…という一縷の不安もありましたが実際鳴らしてみるとBaronが高能率ということもあり、300Bならではの余韻と情報量の多さを余すことなく発揮してくれました。H社長もボーカルのリップノイズが生々しいね、と仰っていたことが印象に残っています。

次いでSV-284Dをブースターモードで追加。
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写真はバランスドシングル(モノ)モードですが、まずは1台(ステレオ)モードでスタート。SV-284Dを追加することで出力が30W、バランスドシングルで60Wに化ける訳で、直熱三極管の音質の良さに対して唯一の弱点ともいえる出力の低さをカバーするセットアップといえます。SV-284DはNFBあり/なし,ゲインHI/LOをSW一個で切替え出来るのですがBaronではNON-NFB(無帰還)の方がスピード感と切れがあって好ましい表現でした。ヴィンテージスピーカーでありながら845の新旧の音の違いも明晰に描き分けるBaronの潜在能力の高さに改めて舌を巻いたひと時でした。

アンプを再び車に積み、次に向かったのはステレオサウンド。
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管球王国次号の企画でB&W 800 Diamond D3をケンリックと同じSV-91B+SV-284Dの組み合わせで鳴らすことになりました。違うのは845。記事ではCetron845仕様のスペシャルバージョンで鳴らすことになっています。現行845が高域の輝かしさを特徴としているのに対してCertonは音の粒立ちが細やかで中域の情報量が豊かであるところが特徴。284D二台分(4本)で約50万という高価な球ですが、既に製造が終わり今後市場価値が更に高まることは必至という状況の中での媒体試聴としてはこれが最後になるかもしれません。どんな記事が編まれるのか実に楽しみです。

ステレオサウンドを出て世田谷へ。写真家平間至さんのSV-P1616D/KT120の健康診断を兼ね、平間さんが主宰されるワークショップを見学してきました。
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平間さんのSV-P1616D+B&W805 D3は今日も絶好調。異種ケーブルの組み合わせによるバイワイヤリング+”奏インシュレーター”+バーチャルアースで下手に鳴らすと重苦しく鳴るB&Wがまるでホーンスピーカーのような闊達さで鳴っていました。
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美空びばりと平間さんがジャケ写を撮った和田アキ子が実に沁みる音で鳴っていました。
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話は戻って平間さんのワークショップ。写真は平間写真館ホームページからお借りしたものですが、こんな感じでプロ,アマの皆さんがご自身の写真を持ち寄られ、それを平間さんがレビューするという形式で行われました。

ずっと後ろから見ていて写真も音楽も一緒だなあ、と。つまり写真を撮る側、音楽を演奏する側の想いが作品に投影されていて視る者(聴く者)がそこから何を感じるか…そこには時空を超えた作者と鑑賞者の対話があるだけでなく、写真や音楽から視えてくるのはまさに自分自身の感情や人生観(死生観)そのものかもしれないと改めて感じました。同じものを視て(聴いて)或る人は美しいと感じる、或る人は醜いと感じる…この差はまさに鑑賞者側の生き様そのものであると。

ベイシーの菅原さんは”聴く鏡”という言葉を使われています。写真はまさに”視る鏡”であってそこには自分自身が写り込んでいるんだということを学んだひと時でした。オーディオも同じ。原音再生というテーマがディスクに入っている情報を遍く拾い上げるということではなく、”こういう音で鳴って欲しい”というイメージそのものであることを再確認出来た気がします。平間さん、貴重な機会を有難うございました!

明日はステレオ誌主催”第8回 自作スピーカーコンテスト”の入選作授賞式を見学したあと浅草で納品です!





by audiokaleidoscope | 2017-12-16 02:34 | オーディオ | Comments(0)

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