(7/19_2)カッティングの違いを音で知る
2017年 07月 19日
聴感上はミキサーズ・ラボ盤の方がワイドレンジ。特に高域のキレが良い。一方ステサン盤は中低域がマッシブで音が前に来る感じです。ではこれを定量的(波形的)に較べてみることにしましょう。同じターンテーブル(pro-ject/RPM9.1),同じカートリッジ(DL103),同じフォノEQ(SV-192A/Dのフォノ入力)同じレコーダー(KORG/MR-1000‗44k/16bit),同じ録音レベル…つまりソース以外は全て同じにして頭出しを1/1000秒レベルで完全に合わせて録音。正確に比較するために特定の曲のRchだけを切り出して並べてみたのが下の画像です。
その他音場感の違いをオシロのリザージュ波形で比較するとどうなるか?出力の高調波成分の分布はどう違うのか?…等々いろいろと調べてみたいことがあります。音は目に見えないから面白い!測定で取得できるパラメータは本質的な音の良し悪しとは直接的な相関を持たないことは真空管アンプの設計を通じてずっと感じてきていることですが、最近何とかして「音の見える化」が出来ないかと沸々と感じることが多くなってきました。
私たちは音をどこで聴き、何を感じているのでしょう?鼓膜の振動だけでなく皮膚を含めた体全体で私たちは音を感じているという研究も進んでいるそう。真空管アンプの音をどうして私たちは心地よいと感じるのか?…感覚的なだけでなく理論的に証明してその優位性が更に明らかになれば、この業界で頑張っている多くの先輩や仲間にとって大きな力になるのではないか…最近特にそう感じています。