(3/8)TL3 3.0量産初号機 来る!(その1)

今日、ショールームで仕事をしていたら、いつものヤマトさんが"大橋さん、荷物!"と入って来られました。通常仕入れた商品は物流センターに入荷するので、私宛てに来るのは雑誌貸し出しのデモ機が戻ってくるか、新製品のサンプルがメイン。外函を見ると明らかにウチの製品の梱包と違うので、どれどれ?…とシャチハタ片手にドライバーさんのところに行くと、おお!待ってました!!CECのNewトランスポート、その名も"TL3 3.0"。量産初号機が試聴用に届いたという訳です。
b0350085_03481216.jpg
現行TL5が廉価帯でありながら本格的なベルトドライブメカを搭載したことで人気モデルとなりましたが、個人的にはワードクロック入力が装備されていたTL3N(製造終了)に大きなシンパシーを感じていて、TL3N製造終了後に別注を組んでもいいので何とか存続できないのか…とオファを継続していましたのですが、主要パーツの一部が調達不可能ということで、是非次モデルではワードクロック入力を復活させて音質改善マージンを残して欲しいというリクエストを出して今日に至っていました。

そして昨年入ったニューモデルの情報。実質TL3Nの後継機というべきコードネーム"3.0"を開発中であるということを伺い期待を膨らませていたのです。そして今年1月に新発売のリリースが出た直後に発売延期の続報。私どもとしてはメーカー自身が認証できるものを評価したうえで導入の可否を判断すべきという立場から今日まで静かに見守っていた訳ですが、やっとその日がやってきたという訳です。

CDプレーヤー自体はCEC以外にも様々なメーカーから発売されていますし、価格帯も様々です。そんななかで私どもが10年ほど前から一貫してCECのCDトランスポートを指定銘柄として扱ってきた訳は、何よりベルトドライブであるということ、そしてSV-192S/PRO(D/Aコンバーター)との類稀なるマッチングの良さ、更に言えばアナログ的音質の素晴らしさ、この3つが大きな理由です。ベルトドライブの音質的特徴についてはこちらを参照ください。

さてそのTL3 3.0。逸る気持ちを抑えながら設置を行いSV-192PROにAES/EBUで接続。ローディングタイプのトレイを開けてCEC独自のベルトドライブメカを確認すると基本的にTL3Nのそれを踏襲していながらメカシャーシが大型化されベアリングシャフトも堅牢なものにリプレイスされていることが分かります。レーザーピックアップ自体も変更されています。
b0350085_04115304.jpg
メーカーHPにアップされているメカの写真。"シャーシの大型化により安定性を増したCDメカニズム本体"が実機でも確認出来ます。まさにアナログターンテーブルに通じる慣性モーメントを利用した聴感上のS/Nの良さと滑らかな音質はこのメカあればこそ。CECの独断場です。

早速試聴を始めます。先ずはTL3 3.0のもう一つの大きな特徴であるサンプリングレート機能をOFFにし、マスタークロックも繫がないスッピンの状態で、いつも使っているリファレンスCDを掛けてみると…今までのCECベルトドライブの音と全然違う!!ひとことで言えば従来よりも重心が下がり締まった音になっています。ただ締まっていると言っても硬い音ではなく弾力性がありDD(ダイレクトドライブ)とは質感そのものが違うのは勿論です。何枚かCDをとっかえひっかえしても傾向は同じなので、この変化は何なのか…居ても立ってもいられなくなってメーカーに電話して開発担当に"今までのCECとどうしてこんなに音が違うんでしょう?"と訊くと基本的に本体はTL3Nの延長線上にあるので、あとはスタビ(ライザー)…というヒントが。確かにスタビが従来品と大きく変わっています。
b0350085_04345681.jpg
これがTL3 3.0から新採用されたスタビ。直径12cm/380g。今までのモノと違いCDそのものを上からクランプしているような状態になっていますね。
b0350085_04352622.jpg
これがTL51X/TL3N等いままでのCECで採用されていたタイプ。いずれも真鍮製ですがこちらは直径7cm/330g。これは単純に回転系マス(質量)を増やすことで慣性モーメントを稼ぎ安定した回転を得るためのものでアナログプレーヤーのスタビに通じるところがあります。

理屈からいえばスタビの重量が大きくなればなるほど回転系は安定する訳ですが一方でシャフトへの負荷は大きくなります。メーカーによれば新タイプ(380g)はTL3 3.0のほかTL3Nには使えるがTL51Xにはお奨めできないとのこと。たまにアナログプレーヤーに何キロというスタビを載せて使っている方がいますが、重ければ良いのは理屈上の話であって実際シャフトの先端は悲鳴を上げていることまで気付いていない方が殆どです。

"そうか…スタビか"と思いながら下のスタビに替えて音出し。おお!これぞCECサウンド。標準(上)のスタビのような重厚さは後退するものの、軽やかな響きが現れアナログ的な開放感と細やかさが聴こえてくるではありませんか!個人的印象ではジャズ/ロック系はデフォルト(上)。クラシック/ヴォーカル系は従来品(下)に軍配が上がりました。この辺りはまさにアナログプレーヤーのチューニングに通じる世界でCDプレーヤーでは味わえない面白さです。メーカーによれば従来のスタビも供給可能ということなので、サンバレー仕様は新/旧両方のスタビを標準装備して音の違いを楽しんでいただけるようにしようかな…と(笑)。

第一回インプレッションはここまで。明日はいよいよ内部アップサンプリングによる音質改善効果の検証とMC-3+USBを追加することによるマスタークロックの要否について集中試聴してみたいと思っています。既に一定の結果が出ている部分もありますので乞うご期待!です。




by audiokaleidoscope | 2017-03-09 05:03 | オーディオ | Comments(0)
<< (3/9)或る極致 (3/4)音の殿堂 >>