(10/4)TU-8340 vs SV-P1616D/多極管仕様 (序章)

まだ一般の皆さんには告知前ゆえ密かに弄っていたのがこのアンプ。メーカー担当M氏から情報解禁のお触れが出たのでまずは第一報を…。写真(右)がエレキットの新製品”TU-8340”です。今週末の真空管オーディオフェアで我がSV-P1616D/多極管仕様と公開比較試聴をする予定なのですが、形式的には同じ多極管プッシュプルパワーアンプでありながら回路設計の考え方やキットとしてのモノづくりの在り様は大きく異なっています。両機は色んな意味でこれから比較されていく存在になるでしょう。
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サイズはTU-8340の方が少し大きめ。トランスカバーが一体化されています。サンプルには12AT7,EL34ともにJJが付属していました。量産でもこの組み合わせになるようです。
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これがシャーシ上側を外したところ。私どものアンプは昔ながらの機構設計になっていて、いわゆる”弁当箱シャーシ”の内側にパーツを取り付けワイヤリングするのですが、TU-8340は底板にスタッドを立てて基板やトランス類をマウントするところが独特です。大きな一枚基板が目を引きますね。
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対してこれがSV-P1616Dの外観とシャーシ内部。半世紀以上前から何も変わらないハンドワイヤリングが”サンバレー流”と言えるでしょうか。同じ真空管パワーアンプでも随分違うものだと改めて思います。

違うのはこれだけではありません。TU-8340は固定バイアスでありながらバイアス調整が不要(半自動)というところが斬新です。テスターも要らない固定バイアスアンプというのは画期的。対してP1616Dは自己バイアスですので、使う出力管の内部抵抗の違いによってプレート電流等の動作条件が異なることを利用して其々の真空管の音の違いを味わって欲しいというアンプですが、TU-8340はある種の定電流アンプといえるのかもしれません。当然のことながら音も違う訳で、結果はフェアのデモで皆さんの耳によって判断頂くことにしたいと思います。

以下にTU-8340の特徴と仕様を分かる範囲でお知らせしておきます。

■ ボタンを押すだけの簡単設定 半自動バイアス調整システム搭載

真空管のバイアス方式は大きく分けて「固定バイアス式」と「自己バイアス式」があります。AB級プッシュプルアンプにおいては「固定バイアス式」の方が効率が良く、また特性が異なる真空管にも対応できるというメリットがあります。しかし、通常であれば真空管1本1本に対してメーターを見ながら手動で調整する必要があり、大変面倒です。また調整に失敗したり手間取ると、出力管にダメージを与えたり出力トランスを磁化させてしまう、などのリスクも伴います。そこで、弊社では固定バイアス方式でありながら調整をワンタッチで行うことができる、革新的な「半自動バイアス調整システム」を開発してTU-8340に搭載しました。バイアス調整を行う重要なブロックは多くの部品によって構成されるため完成済のモジュールとし、組み立てを容易にしています。
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■半自動バイアス調整システムと余裕の電源トランスで他の出力管に交換可能

バイアス調整が簡単な「半自動バイアス調整システム」によりデフォルトのEL34系(6CA7, KT77等)以外にも6L6GC系(5881, KT66等)やKT88系(6551, KT90等)の出力管との交換使用も可能です。 それに加え、電源トランスの容量にも余裕を持たせ、KT88系の中でも近年人気が高いKT120やKT150などヒーター電流が大きな真空管も使用可能、真空管による音色の違いをお楽しみいただけます。
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■ 2種類の接続方式に切り替え可能

本機は基本的にUL(ウルトラリニア)結線ですが、ワンタッチで三極管結線(三結)に切り換えできるモードスイッチ付きです。三結では最大出力はULより大幅に小さくはなりますが、三極管ファンにうれしい機能です。(モードスイッチの切り換えは電源OFF時に行うことが基本のため、不用意に切り換わらないように背面にあります。)
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■ 大型コンデンサにも対応の余裕のスペース

アンプ回路の中で音質に大きな影響があるカップリングコンデンサをお好みのものに交換ができるように十分なスペースを確保しています。 最大57mm×φ31mmの筒型までOK。
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■ 仕様

●付属真空管 : EL34×4本、12AT7×4本
●定格出力  : EL34:45W+45W(UL), 24W+24W(三結)
         6L6GC:32W+32W(UL), 18W+18W(三結)
         KT88:42W+42W(UL), 24W+24W(三結)
         KT150:50W+50W(UL), 28W+28W(三結)
●入力端子  : LINE × 1
●出力端子  : スピーカ出力端子(4~6.3Ω、8~16Ω)
         金メッキネジ式ターミナル (バナナプラグ使用可)      
●本体寸法  : W450×H200×D336mm(突起部を含む)
●本体重量  : 約17kg (カバー含む。電源コード含まず)

私どもとしては”TU-8340SV”(別注モデル)の販売を予定しています。デフォルトのEL34に替えて別の出力管を用意するか、はたまたカップリングコンデンサをグレードアップするか?…最終的には音を聴きこんでから決めたいと思っています。大放談でも一騎打ちをやってみたくなりますね(笑)。ともあれ素晴らしいライバルの登場を心から歓迎したいと思います。



Commented by blueeyes at 2016-10-05 10:49 x
TU8340の速報ありがとうございます。シングルも良いですがPPも楽しみですよね。
2点お願いがあります。TU8340のプレート電圧とUL接続時のSG電圧が分かれば教えて頂きたいのが一点目です。
二点目はTU8340SVではSV-P1616D同様に真空管別売仕様も用意して頂ければ嬉しいです。
Commented by audiokaleidoscope at 2016-10-05 19:40
> blueeyesさん
大橋です。ご連絡有難うございます。回路図がありませんので詳細は分かりませんが、プレート電圧は400V弱。プレート電流は約60mAと伺っています。販売形態は今後検討していきますが、当社の場合、別の球をつけて価格上昇を抑えた方がお客様の価格メリットが出るのですが、別途検討しますね!
by audiokaleidoscope | 2016-10-04 19:56 | オーディオ | Comments(2)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


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