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(7/14)ポジティブフィードバック

無店舗で18年こんな仕事を続けてきた私。日頃メールや電話で一対一のコミュニケーションを”縦糸”とするならば、このブログやラジオ番組は一対多のコミュニケーションである”横糸”。皆さんの顔は見えないですが、ご感想のメールなどによってネットや電波でちゃんと繋がっている感覚をいただけているのは本当に有難いことです。

そんななか、ミュージックバードさんから今日不意に電話がかかってきました。なんだろうと思っていたら”大橋さん、ついに一位です”と仰られて最初なんの事か分からなかったのですが、伺うとリスナーアンケートのなかで”よく聴く番組は?”というのと”好きな番組出演者は?”的な質問があるようで、なんと両方の項目でポジティブフィードバックが一番だったとのこと。台本も何もなくゲストのTさんと真空管アンプの音について喋っていることが、こんなに沢山の方の共感に繋がるとは正直まったく思っていませんでした。

放送でオーディオ機器を(比較)試聴する”という奇天烈なアイディアを思いついて以降、この番組もいきおいオーディオ寄りに振れた訳ですが、こういうマニアックなテーマが本当に受け容れられるとは思っていなかった私にとって今回のお知らせが大きな驚きと喜びでした。これもリスナーの皆さんは勿論、こういう機会を与えて下った局の皆さん、そして毎回私をインスパイアしてくれるゲストの皆さんのおかげです。本当に有難うございます!

放送という新たなコミュニケーションツールを頂いて私の仕事の在り様も少しづつ変化してきました。音楽を再生する立場のプロとしての責任から音楽を演奏する方々や音源を制作する方々との密接な関係性によってオーディオ屋としての私に強いモチベーションとエネルギーを与えて頂いています。今日はそんな一つの具体例をご紹介します。

先日お邪魔した西麻布のスタジオ。我が国屈指の設備とクライアントを抱えるこのスタジオから生まれたLPが手許に届きました。
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早速聴いてみたところ、その音のみっちり詰まった密度感と情報量の凄さに驚愕。レジェンド内沼映二さんが録った角田健一ビッグバンドの演奏のリアリズムの凄さは私のオーディオ経験のなかで今まで味わったことのないものでした。昨今のLPブームが単なる懐古主義(趣味)に根ざしたものでなく、本当に良い音はアナログにあり!という真摯なマニア諸兄によって支えられていることは周知の通りですが、単に音質的優劣を超えた本質的感動がこのLPには詰まっています。

これだけスケールの大きな演奏をパッケージメディアに収める技術的難易度の高さは想像に難くありませんが、それぞれの楽器の質感はもちろん、マッスのエネルギー感が炸裂する広大なダイナミックレンジがLPの細い溝に刻み込まれていることに畏れすら感じました。きっと内沼さんには何をどうすればこういう音になるんだというマイキングや卓の設定が全て分かっているんでしょう。そうでもなければこんな音が録れる筈がありません。これからの番組の比較試聴にも大活躍間違いなしの一枚になりそうです。

先日の共同プロデュース作業も今回のLPもそうですが、単なる装置産業の枠を超えて音楽と関われる歓びを感じられる昨今。これらの経験から多くのことを学び、自分のモノづくりにどれだけポジティブフィードバックさせられるかが自分の大きな責任と恩返しであると感じています。



by audiokaleidoscope | 2016-07-15 10:59 | オーディオ

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