(4/2)すごいぞ!CL10!!~再考:クロックジェネレーターの効果について
2015年 04月 02日
新年度が始まって気分も新たに色々なテーマ…新製品の開発絡みで来月海外出張が入りそうだぞ、とか更にもう一機種、新製品を追加できるんじゃないかという動議があったり最初からフルブースト状態です。
そんななか、サンプルを待ち焦がれていたSound Warriorのクロックジェネレーター「SWD-CL10」がショールームに到着!早速昨日から集中テストを開始しています。以下そのファーストインプレッションです。
SWD-CT10, SWD-DA10と接続してみた
デスクトップサイズながらその高機能とお求めやすい価格で大ヒットとなったSWDシリーズの最後のウエポンがこのクロックジェネレーターSWD-CL10です。
クロックジェネレーターは外部からワードクロックを供給するための発振機で、元々の設置目的はレコーディングスタジオなどのプロ環境で、デジタル機器内部の水晶発振子で生成するものよりも更に高精度なクロックを供給し、クリアで歪み感のない音質を得るために設置されるものです。特に複数機器を同期(単一クロックを供給)することで各機器が持っている時間軸の干渉が理論的になくなる点が最大のメリットといえましょう。
昨今のハイレゾブームによる高音質音源の配信や、CDをより良い音質で楽しみたいという方々のニーズもあり急速に普及しつつある訳ですが、先ずはSWDシリーズの標準セットでCL10有/無による音質変化を確認してみました。サンプルとして用意したソースは「モーツァルト:フルート四重奏曲集/高木綾子」(CD)
※ハイレゾ(96k/24bit)もe-onkyoから入手可能です。
ちょっと余談になりますが、私どもがリファレンス機器として常用しているMC-3+との最大の機能的差異は吐き出せるワードクロックが単一か複数かという点です。MC-3+ではCDトランスポート(例:TL3N)に44.1kを送り、SV-192PROには四逓倍の176.4kを送るようなことが出来るのに対し、CL10は選択した周波数(44.1k~192k)のみの出力になりますが、姉妹機SWD-CT10,SWD-DA10とのペアリングについてはCT10側で内部アップサンプリングができますので両者の176.4kを送れば良い訳です。
この状態で暫く聴いてから徐(おもむろ)にCL10を有効化します。電源を入れておいて指定のワードクロック周波数のボタンを押すだけですが、その瞬間に音の粒立ちが細やかになり、横一面に並んでいた楽器の前後感が現れ、余韻が感じられるようになります。加えて僅かに感じた中低域の茫洋とした膨らみ(不明瞭感)が払拭され高域の明るさそのままに一気に低域が締まります。
因みにDSD(1ビットソース)を再生する場合はクロック周波数は176.4kを選んで下さい。DSD環境ではCDほどの激変はありませんが、やはり緻密さ,情報量の点で明らかに優位性を感じます。このCL10、ひとことでいえば情報量,空気感,解像度に働きかける非常に優れたハイコストパフォーマンスのクロックジェネレーターとして高い評価を得るに違いありません。
TL3N,SV-192PROと接続してみた
いつもはプロ用クロックの定番MC-3+を使っている訳ですが、これをCL10に置き換えてみました。同期効果を得ようと思うとTL3N,SV-192PROとも44.1kを送る必要がありますので、パターン1(44.1kで両者を同期)とパターン2(192PROのみに176.4kを送る)に分けてテストしてみました。
SV-192PROは元々選別した高精度水晶発振子を使っていますので、SWD-CT10, SWD-DA10の時ほどの差異は感じませんが、パターン1,2ともエッジの明確化と細部のニュアンスの向上が感じられ、MC-3+と拮抗する効果を感じることが出来ます。これは大したものです。
・・・理屈では分かっても実際どうなるんだろう?というクロックの存在。いままではプロオーディオの世界の話で、自分には無縁と思っておられた方も多いと思いますが、このCL10は一気にそのハードルを下げてくれる会心の新製品と言えるのではないでしょうか。
私どもでも今回の試聴を機に正式に取扱いを開始させて頂く予定です。販売価格などは近日中にアップいたしますので、どうぞお楽しみにお待ち下さい!