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Westernは遠くにありて思うもの?

皆さん、おはようございます。

土曜日、収録が終わって秋葉に向かい、頼まれていた真空管を探していたところ持っている仲間がいることには居たのですが、残念ながら値段が全く折り合わずに商談不成立。昨日も引き続き歩いてみたのですが、結局目標のタマをゲットすることは出来ませんでした。
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WE300B('59)

NOSとかヴィンテージなどと呼称される真空管の流通が大幅に変化してきたのはここ5年くらいのこと。国内では調達が厳しても海外業者から手配出来ていた頃はまだ良かったのですが、最近はそれも難しくなって欧州系電圧増幅管はギリギリ何とかなるものの、特に米国系出力管,整流管は本当に入ってこなくなりました。

ではどうやって店が売り物を確保するかというと「委託」。個人の方が売りたい球を持ち込んできて、売れると一定のマージンが店に落ちる仕組みです。売主さんの希望価格によって相場が決まることが多いため、モノはあっても高くて買えない・・・という現象は委託品が増えてきたことも一因かもしれません。

NOSの定義(要件)の一つとして「未使用」であることが挙げられますが、今やバルクで(まとまって)入荷することは殆どなく、履歴不明の中古委託品が多いため、購入後の品質トラブルも問題の一つです。買ってから文句を言いたくないので事前にチェッカーで特性確認をさせて頂くのですが、中には閾値ギリギリのものや下回っているものもあって、今後は更に買う側に見識が問われるとともにリスクも高くなりつつある状況です

イソップの「金の斧,銀の斧」という話があります。残念ながら全ての方が善意とは限らないし、仮に悪意でなくともミスやトラブルによって誰かが被害を被る場合もあります。オールド真空管に関してはトレーサビリティが著しく低下していることは残念ながら事実ですので、やはり信頼できる相手から手に入れることが益々重要になってきているといえるでしょう。

私どもにもWE300B等バックオーダーを抱えておりますが、ご提供したくても良いモノがない、というのが実情です。故郷(ふるさと)とNOS真空管は「遠くにありて思うもの」・・・幸い今、良い球をお持ちという方は大事にされると良いと思います。いちど手元から離れたらもう二度と入手出来ないかもしれませんから。



by audiokaleidoscope | 2015-01-19 05:09 | オーディオ

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